第45章 .☆.。.:.笑って。.:*・°☆.
私はやっぱり自分勝手で、
…そして
この2人に軽蔑されるのが怖い…
だけど、
「睦よォ…さっき、
最初は違う理由があったって言ったなァ?
それはどういう事だァ」
鋭い不死川さんに追求されてしまい、
回避するのが難しくなってしまった。
「……」
困って……でも話さなくちゃと
心の中で葛藤していると、
「睦、話したくない事を
無理に話す必要はないぞ。
それこそ、話せる時でいいのだ」
煉獄さんが優しく笑ってくれる。
明らかに、私が言いにくそうにしていたから
早急に気を回してくれたのだ。
「なに言ってやがる。
ちゃんと聞いてやらなきゃ
なんも解決できねえだろうがァ」
でも不死川さんも
そこを譲るつもりはないらしい。
2人から、
それぞれの優しさが伝わってくる。
聞いてくれる人と、
聞かないでいてくれる人。
そのどちらにも応えたい。
「私…ひとりっ子なんです」
突然わけを話し出した私に
2人の視線が集中した。
こんな事を言葉にするのは怖いけど。
だって、
自分にわからせるようなんだもの。
自分が犯した過ちを
再確認するようなものでしょう…?
だけど、
無理やり話すわけじゃないよ、煉獄さん。
そこは大丈夫…
「小さい頃、ご近所さんには
みんな兄弟がいて、1人なのは私だけで…
すごく淋しかったんです。
私にも兄弟がいればなぁって
いつも思ってました」
あぁ気が重い。
あの時の自分を殴ってやりたい…
「だから私…宇髄さんに訊いちゃったんです」
だめだ、あんなに泣いたのに
また泣いてしまいそう…
「兄弟って…どんな感じかって…
楽しそうで、羨ましいとまで…言ってしまった」
気落ちして俯く私とは裏腹に、
目の前の2人はきょとんとした様子。
………なんだ、この温度差は。
私は不思議に思い顔を上げた。
するとやっぱり、目を丸くした2人に出会す。
「…どこが悪いのだ?」
「あァ…それなんか悪いのかァ?」
「えぇっ⁉︎」
あまりの驚きに
溢れ掛けていた涙も引っ込んだ。