第45章 .☆.。.:.笑って。.:*・°☆.
「あ、…私の事なら
もう…大丈夫です…」
さっき泣かせてもらって
ひと区切りついた、つもり。
「ああ…兄弟の墓参りにな、行くと言っていた」
言いにくそうに
煉獄さんは少しだけ顔を俯かせた。
それとは対照的に
不死川さんは正面を見据えたまま、
「…そうかよ」
兄弟ねェ、
と口の中で呟いて、
不死川さんは私を振り返った。
「でェ?睦はそれが、
そんなに泣くほど悲しかったのかよォ」
「え…っ」
2人にジッと凝視められて
私は少し戸惑う。
違ったはずなのに
違うとも言えなくなったからだ。
「それが…よく、わからなくなったというか」
「どういう事だ?」
少し後ろめたさがあるのか
煉獄さんはその先を急かす。
「それが理由で…
泣いていたんじゃないんです。
だけど…確かに… それを聞いたら、
私に話してはもらえなかったのかって
それも悲しいかなって…思います…」
「あの宇髄が君に話さない程だ。
よっぽどの理由があるのだろう」
「そうだなァ。まだ時期じゃねえんだって
お前が理解してやるべきなのかもしれねえな」
うん、と頷きながら
つい零した涙の雫。
2人はギョッとしてあたふたし出した。
「ああ‼︎いや!だがそういう事は!
ちゃんと伝えて行くべきではないだろうか!
なあ不死川!」
「はァ⁉︎知らねえよ、」
不死川さんはチラリと私を見て…
目が合った途端に
バッと目を逸らし
「あ″ぁ!睦泣かせるくらいなら
ちゃんと話してけっての、
あの馬鹿野郎がァ!」
………
私が泣いたりするから
2人がどうしていいかわからなくなってる…
「っ…ごめんなさい…」
「睦は悪くないぞ!」
「だって…こんなふうに泣かれたって…
困りますよね…でも、
ごめんなさい…止まらなく、て…」
宇髄さんに悪い事をしたのは私。
それを、優しい2人に言い出せなくて
悲しくなる。