第45章 .☆.。.:.笑って。.:*・°☆.
だって、私だってこんなに疲れてる。
よっぽどひどい泣き方をしたようだ。
「こちらこそすまなかった。
不器用なものでな、
泣いている女性をどうしてやればいいか
わからなかったのだ。
宇髄のように、
うまく泣き止ませてやれれば良かったのだが」
「……いえ、」
今はその名前を聞くの、つらいなぁ…
「それに…」
煉獄さんは私のそばまで来ると
そこに膝をつき
佇まいを整える。
「千寿郎が不用意に言った言葉のせいで
君はああなったのだから、
責任は俺にもある。すまなかった」
ぺこりと頭を下げられて
私は大いに慌てた。
まさかそんな事をされるとは思わずに。
「やめて下さい…
煉獄さんは、悪くありません…」
だけど、声がうまく出せない。
掠れているのと、
お腹に力が入らないのとで
ほぼ、内緒話だ。
情けないったら……
「何を聞いたらここまでなるんだァ?」
追加で流した涙の跡を
親指できゅっと拭ってくれて
不死川さんは呆れたように息を吐いた。
「………」
俯いた私の頭に大きな手を乗せるも
いつものように笑わない事に
少し心配を募らせたようで、
私から目を逸らし煉獄さんと目線を交わす。
それを受けた煉獄さんは、
「…黙って行かれた事に、傷ついたか?」
気遣わしげに尋ねてきた。
「えぇ……?」
思わぬ所へ話が飛んで、
ぽかんとして煉獄さんを見上げる。
「宇髄は君に、
事情を話しては行かなかったのだろう?
だから悲しかったのではないのか?」
あぁ、…それもあるのかもしれない。
「…煉獄さんは…ご存知だったんですか…?」
「いや、俺は…。
今回の旅の理由は本人から聞かされていた。
その間、睦の事を頼むとも言われていた」
「……そうでしたか、」
「アイツどっか行ってんのか」
ここへ呼ばれた理由も
よくわかっていない様子の不死川さんは
首をひねって煉獄さんに訊く。
「ああ!…はか、」
煉獄さんはハッと私を見た。