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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第45章  .☆.。.:.笑って。.:*・°☆.





「ああ!夜通し語り合うのに、
腹を満たすのも大切だろう」

「夜通し…」

「いろいろ、話せると楽しいだろう?
淋しい事も忘れるだろうから」

宇髄さんが、
不在である事を言っているのだろうか。

そんな事まで考えてくれるのか…

「千寿郎も一緒にどうだ?」

「えっ…俺もいいんですか?」

千寿郎さんの目が一瞬にして輝いた。

……俺、と言った…
私には
僕,と言っていたのに。

礼儀正しいのに、
お兄さんには砕けた話し方をするのだ。
…ちょっと…
いや、かなり羨ましい。

「でも、明日も早いので、
お夜食の準備をしたら俺は
休ませてもらいます。
ありがとうございます」

煉獄さんと私に、合わせて謝罪する。

「いえ、とんでもありません」

夜通しお話会だなんて
私も初めて知ったのだ。
嬉しいけれどびっくりだ。

今まで
誰かとそんな事した覚えがなかった。

…宇髄さんとは、した?かな?

千寿郎さんが部屋を後にしてからも
煉獄さんは終始穏やかに
私の相手をしてくれた。

「さぁ睦、
なんの話をしようか?」

そんな言葉で始まった夜会。

はじめての事に心躍らせる私は
煉獄さんの色んなお話に舞い上がり、
自分のあれこれも聞いてもらった。

…もちろん、当たり障りの無い話だ。

千寿郎さんが作ってくれた夜食も
とってもおいしくて、
いつもなら疲れてぐったりと
眠ってしまう時間になっても
一向に眠たくならない自分に驚いていた。







パチリと、瞼を開けて、
私は自分が寝ていた事に気がついた。

肩には毛布。
テーブルに突っ伏していた私は
ゆっくりと身体を起こした。
凝り固まった身体はなかなか伸びない。
背中を反らし、首をこきこき鳴らした。

まだ早い時間なのか、
シンとした空気の緊張感が心地いい。

いつ寝てしまったのか
全く覚えていなかった。

部屋を見渡すも、誰の姿も無い。

まだ開き切らない目を擦りながら
私は、ゆっくり立ち上がる。

まだこんな時間だ。
朝ごはんを作らせてもらえるかもしれない。
それくらいの事はさせてもらいたくて
私は客間を後にした。



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