• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第45章  .☆.。.:.笑って。.:*・°☆.






さすが、反応速度は一流だ。

「こんばんは…」

「こんばんは!今帰りか?」

私の前まで来るとピタリと足を止めて
笑みを深める。

「はい、少し遅くなっちゃいました」

帰りが遅くなると、
宇髄さんにいつも叱られる。
煉獄さんにも、何か言われるのかな。

「そうか!だが女性がこのような時間に
1人歩きするのは感心しないな!」

「…はい」

やっぱりだ。

私は今まで、昼間だろうと夜中だろうと
割と1人で歩き回っていた。
この辺りは治安もいいし
何も考えずに自由にしていたのだけれど。

この人たちはこぞって同じ事を言う。

夜に出歩くな。
危ないから夜は外に出るな。


今まで何事もなかったのは、
ただ運が良かっただけなのかと思わされる。

おばちゃんには何度か言われた事がある。
女の子が遅くまで遊んでちゃダメよ、
って。

だけどこの人たちの言うのは、
おばちゃんのそれとは
どこか違うように感じるのだ。

「む…どうかしたか?」

「いえ…!それより煉獄さん…
こんな所まで来ることがあるんですね」

私は頭を切り替えて、
ふと感じた疑問をぶつけてみる。

「あるぞ!ここの蕎麦はうまいと噂だからな!」

「………蕎麦……」

私はそっと、
煉獄さんが出てきたお店に目をやった。

………

「こちら、牛鍋屋さんです…」

お蕎麦屋さんは隣だ。

「牛鍋がうまかった‼︎」

「えぇ…っ」

変わり身の早い煉獄さんに
驚きを隠せない。

「蕎麦も食べたいと思っていた!
睦!夕食がまだならば
一緒に食べていかないか?」

「一緒、に…?」

「ああ!それとも、腹は空いていないか」

私の様子を窺うように声をひそめた煉獄さん。
その仕種から多大なる気遣いを感じて…

「いえ…お腹すきました」

頷かざるを得ない状況に陥った。

「そうか!」

ホッとしたような…
喜びを前面に押し出した笑顔で

「ならば一緒に食べて行こう!」

はっきりと誘われる。

…すごいな。
躊躇いとかはないんだな。
私とも、仲良くしてくれるなんて。


/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp