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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第44章 .☆.。.:.夏色.。.:*・°☆.






…やばい。
ホントのこと言うのって
ものすごく怖い…。

どう思われるかを考えると
ただ怖い。

それから、めちゃくちゃ照れくさい…!

自分の手で口元を覆い、少し俯く。
呆然としてこちらを見ていた彼は、
私と同じように頬を染めた。

ほらやっぱり、
緊張や照れは伝染するのだ。

「紛れ、たんなら…よかったんじゃねぇの」

ぽりぽりと頬を指先で掻きながら、

「…そいや、ここ誰もいねぇのか」

「いない」

「そか…………」

「………」

え……

それは、…

「俺らだけ………ってこと?」

「そうだけどそれが?」

なんでそんな事わざわざ言うの⁉︎
もっと意識しちゃうでしょー⁉︎
バカなんじゃないの!

心と表情は裏腹…
私は心をひた隠しにする。

「いや……」

彼はあちこちに視線を彷徨わせ、

「ホッとしたような…やべぇような…
なんか、…よくわかんねぇな、」

自分の胸の内をうまく表現できないようだった。

…だめだ、こんなのいられない。
この場を誤魔化すための何かを…

そうだ、プリンだ。
自分の分は冷蔵庫にしまってあるのだ。

私は立ち上がり
キッチンへと急いだ。

もう間を保てない。
プリン…
食べた後どうしたらいいんだろ。
もう…もう…!
落ち着けよ私。

「っ!」

猛スピードでキッチンへ向かう私の腕が
強くつかまれ、
勢いを止められるどころか
引き寄せられる程の力に
ふらりとよろけて後ずさった。

掴まれた腕を振り返ると
当然ながら彼と繋がっていて…

その腕を辿って行くと
叱られた子どもみたいな
不安げな顔と出会した。

なんて顔をしているのだろうと驚いて
腕を取り返す事も忘れ

「…ど、したの」

彼をまじまじと凝視めてしまう。

「どこ行く…?」

「キッチン…プリン食べる…」

「あ、…ぁ、そっか、」

自分で自分の行動にびっくりしたのか
彼は呆然として
私の腕をゆっくり離した。

「うん、」

足を床に這わせて
そろりと離れてみるも、
彼は特に何もしなくなり…

私の目的がわかって、
少し安心したようだ。

何にせよ、ここの空気は最悪だ。


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