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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第44章 .☆.。.:.夏色.。.:*・°☆.





「…かっこ悪いでしょ。
計算みたいにさ、
さっさと割り切って答え出して
次に行けちゃえばいいんだけど…
なかなかそうも行かないみたいなんだ」

眉を下げ、困りきった様子の睦。

いや、お前はかっこいいよ。
そんなに簡単に割り切れねぇのが人間だ。
変に隠したり誤魔化したりしねぇ睦は
かっこ悪くなんかねぇ。

「だいたい私、他に誰もいないから。
そもそも不死川くんしか…
いなかったわけだからしょうがないんだけど。
次に行きようがないよね、」

泣きそうな顔をして、笑う。
だから、

そんな顔見てぇワケじゃねぇって。
どうせなら、ちゃんと笑って見せろ。

そんな事を考えていたくせに、…

「今は、アイツだけじゃねぇだろ」

俺は睦を困らせるような事を
自ら言ってしまった。

「うん…?」

上がっていた口角が、スッと戻った。
今度は睦が
よくわからない、という顔をする番だ。

「俺もいる」

むちゃくちゃ言ってる事くらい
自分にもわかってる。
こんなふうに話せるようになったのも
つい昨日の話だ。

しかも、オトモダチになる事も
拒否られそうな勢いだったワケで。
それをいきなり、…

「…なに、言ってるの?」

そうだよな。
当然そう思うだろう。

「いや…多少、選択肢は広がったかなと…」

でも、俺だってお前を好きだ。
まともに話なんかした事なかったけど、
クラスメイトとして
ちょっとでも話せた日は嬉しくて、
この俺がそんな可愛い恋してたとか
ちゃんちゃらおかしいけどさ、
それでも、
不死川がナシなんだとしたら
俺ならアリ、かもしれねぇだろ?

だって俺、フリーだし?

「ふふ、思ったよりいいヤツだなぁ」

嬉しそうに笑い、
睦は俺の腕を引いて歩き出す。

「絶対に怖い兄さんだと思ってたのに。
全然いいヤツだった」

「なぁんでだよ」

「睨んでくるからだってば」

「あー…そか」

「でも、優しい人なんだね。
そんなふうに言ってくれるなんて」

「…んー?」

「慰めてくれたんでしょ?」

「何を」

「私を」

「ん?」

「あれ?違うの?」



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