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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第44章 .☆.。.:.夏色.。.:*・°☆.





「だめだ。元がわたあめだから悪ィんだ」

やり尽くし、
さすがに諦めた俺は
睦が最初に描いた
土台のせいという事にした。

「なんで私のせいなの?
宇髄くんがもっと上手に描けばいいだけでしょ」

「俺は上手ぇだろ。
どう見ても気味悪く描けてるし。
ただ俺の腕をもってしても
どうにもならねぇ。
睦の絵がはちゃめちゃ過ぎんだよ」

「もっと怖くならないの?」

「してみろよー」

「…っていうか、何なのこの絵!」

睦が高くかざしたキャンバスを
2人で改めて眺めやる……

「「…………」」

……

「「ぷ」」

あまりの酷い出来に、
2人同時に吹き出した。

「ねーどうしてくれんのー?
何なのこの絵はぁ!」

「ひどすぎて最高だなオイ…!
記念に残しとこうぜ」

「あはは絶対やだから!
消してよー」

「消すかよもったいねぇな」

「ちょっとー!」

言い合っては、キャンバスを見て
再び大笑い。
延々とそれの繰り返しだ。

「あーダメだ、腹痛ぇ」

腹を抱えて唸る俺。

「腹筋いたいー…」

情けなく背もたれに身を預ける睦。

「ヘンなもの描かないでよね。
このまま塗っちゃうよ?」

「睦が塗るんじゃ
もっと可愛くなること請け合いだな」

「なんだとー、絶対こわくしてやるー」

「ムリムリ」

俺は片手をひらひらさせて鼻で笑った。

自分でもそんな気しかしないのだろう。
睦は悔しそうに俺を睨んだ。
怖い塗り方なんてわからないだろ。

そこまで言ってから

「なんでおばけの絵なんか
描かなきゃいけないのよ!
違うから!」

ようやくそこに気がついたらしい。

俺はほんの冗談のつもりで言ったんだ。
それを勝手にこいつが本気にしただけの事。

…人の絵に落書きした事は謝る。

「はいはい、悪かったから。
アクリル絵の具貸してやるから
明日それで塗れ」

少々お怒り気味の睦を宥めるために
よしよしと頭を撫でた。



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