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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第44章 .☆.。.:.夏色.。.:*・°☆.





「まぁいい。とりあえず明日の、放課後な」

「…うん、」

少しだけホッとしたような
睦の表情を見て、
人と関わる事が怖いのだろうかと
そう思った……


















翌日の放課後。

連れてこられたのは裏庭だった。

絵を描く、という名目で
こんな所へ連れ出してくれたというわけだ。

半分、信じていなかった。
でも授業と帰りの支度を終えた時
向こうから、行くぞと声をかけてくれて…

クラス中が
凍りついたようになったのがわかった。
人気者が変わり者を相手にしたのだから
気持ちはわからなくもない。

なんで?って思うよね。
だけど
私の後ろの席の不死川くんだけは、
何故かニッと笑っていたっけ。

「ここで描くの?」

「誰もいねぇし涼しいし、
最適だと思わねぇ?」

確かに、木々が日差しを遮ってくれて、
なのに風は通るので涼しいは涼しい。

いつから使われていないのか、
葉っぱの積もっているベンチに
そのままドカッと座って

「あー、いいなココ」

背もたれに腕を伸ばし首も預けた。

…あれ?
私は?

「あの…」

「あー、あとさ、俺のこと呼べ」

ぴょこっと頭だけ上げて私を見据える。

「わざと避けてるよな…
オトモダチじゃないから?
…よくわかんねぇけど」

言いながらまた顔を空に向けた。

あんまり気にしていないようにしてるけど、
…気にしてるよねきっと。
友達になるとかならないとかについて
こだわってるっぽかったし。

名前は確かに呼んでない。
いきなりそんな親しげにしてもいいのかなと
またバカな事を考えていた。

だいたいどうしてこんな事になったのか。
私にもよくわからない。

私はこの人に嫌われていたはずで、
そのせいで苦手だと思っていたはずなのに。

昨日、美術室で会って以降、
この人に対する印象がガラリと変わった。
なんていうか……
世話焼きなお兄さんだった。

お茶こぼしたら、なにやってんだと言いながら
綺麗に片付けてくれそうな…。
お兄さん……お母さん?
そんな感じ。

……怒られそう。そんなこと言ったら。


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