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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第43章 無償の愛





火の灯った瞳が目の前にあった…

様子を窺うように動きを止めていたけれど
しばらくした後、
どちらからともなく吸い寄せられるように
再び唇を重ね合わせた。

角度をつけて合わさる口唇が優しく吸われ
ちゅ、と音を立てて離れたかと思うと
今度は小さく啄まれる。

口づけが、気持ちいいなんて知らなかった。
ずっとしていたいって…

彼のするままに目を閉じて感じ入って…
ふと、離れて行ってしまいそうな予感がして
回した手に力を込めて
彼の頭を引き寄せた。
すると、
私から押し付ける形になってしまって…
それなのにもう何も考えられない。

ただもう離れたくなくて。

私の中に残ったなけなしの理性。
それを掻き消したのは
他でもない私自身だった。

全てを投げ出して彼に向かって行く私を
大きな心で受け入れてくれる…
だから私、安心してね、
おかしくなれるよ…

私の身体を這い出した彼の手を拒みもせず
口づけにただ溺れる私を、
あなたはどう思うのかな…





























気怠さに襲われながら、
俺の奥深くに居座り続ける愛しさは
萎える事を知らず、
腕の中で余韻に浸り恍惚としている睦を
もっと愛でたいと叫んでいるようだった。

まだまだ満足はしないし、
無理をさせるのもいつもの事だけど、
今、睦への愛を吐き出して
少しだけ満たされた俺は
愛に浸っている可愛い女の乱れた髪を
手櫛で直してやっていた。

味見と言いつつ、
全てを食い尽くす勢いで求め合ってしまい、
……
こんなつもりじゃなかったのになと
言い訳じみた事を考える。




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