第43章 無償の愛

間違いなくくっついて寝ると思うのよ。
1人分空けて、とか
あると思うか？
いや、無い。

「元より
思いっきりくっついてる予定だったけど」

「ほんとですか⁉︎よかった…」

えー…
嬉しそうだし。にっこにこだし。

「なぁ、ちょっと訊くけどよ。
離れて昼寝すると思ったか？」

「あー…いえ。もしそうだったら
嫌だなーって思っただけで…
だってわからないでしょ？
私はくっついてると思ってても
宇髄さんは違うかもしれません」

「俺がお前から離れられねぇの知ってて
そんなコトを言うのかね」

「…ちょっと期待したけど
違ったら困るってことです！」

期待したんか。

「なんなら毛布にくるんでやろうか」

「えーいやですよ。
宇髄さんの方があったかいもん」

「毛布より？」

「毛布より。安心するし」

「可愛いこと言うのな」

「…私なにか言いましたかね、」

「とぼけてもムダ」

「もー…ほんとの事だからいいんです！」

開き直ったのか
睦は強く言った。

「そうかそうか」

愛を込めて抱きしめる。

「しょうがねぇから毛布代わりになってやるよ」

しょうがなくなんてねぇよ。
願ってもねぇ事だ。
それなのに

「うん…嬉しいな…」

睦は素直に喜んでいる。

やめてやめて。
可愛すぎるから。
鳥肌立つから。

「今日、ほんと何もしなくていいからな」

「何も？」

「何も。もうずっとこうしてるから」

「ほんとに…？」

「俺がお前にウソ言わねぇの知ってるだろ」

「知ってます…、だから」

「だから？」

「嬉しいです…」


やべぇ。
こりゃ手に負えねぇわ……