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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第42章 おにごっこ 〜誕生日企画〜





「私、宇髄さんのこと待ってた気がする…
玄関開けとくか、雨戸開けとくか
すっごく悩んだ気がします…」

「え、なに?俺のこと待ってたの?」

「あ、もう…!そこはいいんですよ!」

照れてそっぽを向き、

「それから…」

まだ記憶を辿ろうとする。
だから俺は

「そっか。なぁもしかして、
毎晩俺のこと待ってんの?」

その邪魔をする。
言葉にする毎に
記憶が戻ってしまうかもしれない。

そんなことになったら、
せっかくヤツが睦のために残した力が
無駄になってしまう。
人外に情けをかけるつもりはないが、
せめて睦を想ってしてくれた事くらいは
無かったことにしたくはなかった。

「そこはいいんですって!」

「よくねぇよ、そこ大事だろ」

「…そう、じゃなくて…
今なんかひっかかってるから…」

「ずっとひっかけとけ」

「えぇっ⁉︎なんで?」

「なんでも。もう行くぞ」

早めに切り上げたい俺は
睦をひきずって家に向かった。
向かった、って言ったって
もう目の前だけど。

「宇髄さんいつ来たんですか?」

「まだ言うのかよ」

「だって全部中途半端なんだもん!」

そうだろうな。

「いいじゃねぇの、俺がいるんだから」

「だから、いつ?」

「今!俺は今来たの。
昨夜は大変だったのよ」

「今…」

「そう、淋しかっただろ?
もー俺はなぁ、睦の事が
気になって気になって」

「気に、なったの?」

「嬉しそうネ」

玄関の戸を引こうとして…

「カギ…かかってんのか?」

「はい。玄関はカギしたんです。
縁側を開けておいたので…」

そう言いながら、
低い垣根から庭を覗き込んだ睦は
その惨状を目の当たりにして
言葉を失った。

そりゃ、そうだ…

俺の仕掛けた攻撃によって起こった爆風で
吹っ飛ばされた鬼が、
縁側のガラス戸を突き破ったのだから。

だが、…覚えてないのよネ?

くそ鬼め。
俺の記憶も消してから行けや。
この惨状について
俺はなんて言ってやればいいんだよ。


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