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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第42章 おにごっこ 〜誕生日企画〜





でも優しい話し方のせいかな、
全然そんな気がしないのは。

だけど、額から突き出たツノが
この生き物が紛れもなく鬼だと証明している。
威圧感とか圧迫感は全くないけれど、
それでも鬼は鬼…
そんな存在と普通に話が出来るものなのかと
最初は震えてしまった程だ。

それでも話を進めるうち、
薄明るくなっていた空に
朝の光が差し込んできた。

すると、
その光の矢に攻撃されているかのように
鬼さんの体が焼け爛(ただ)れて行ったのだ。

私は目を疑った。

そうなった事にもだが、
…鬼さんが笑っている事にだ。

なのに、大丈夫だと言う。

灰のように崩れていく身体を
両手で押さえて止めたい衝動に駆られた。

だけどヘタに触ったら、
…痛いんじゃないだろうか。
だって爛れているのだ。

そんな考えに邪魔をされて
私は余計に動けなくなってしまい…

だけどその優しい鬼さんは
良いんだよと言わんばかりに微笑んでいる。

笑っていられるような状況じゃないのに…

「睦ちゃん、
最後の魔法をかけてあげる…
すぐに、終わるから…」

その言葉は直接頭の中に語りかけられたよう。

最後、ってどういう意味だろう。
消えて無くなってしまうと
そう言いたいんだろうか…

そんな事を考えている間に、
ゆっくりと近づいて来た鬼さんが
私の額にその唇を押し付けた。

あれ…?

と思った瞬間、

背後に感じる殺気。
瞬時に肩を掴まれて、一気に引かれた。

「てめぇほんっと許さねぇぞ」

「…君ほんっとイヤなヤツ」

私を挟んだ2人がほぼ同時に似たような事を言う。

鬼さんの言った通り、本当に宇髄さんが来た。
彼は私を隠すように両腕で囲い
そそっと鬼さんから遠ざける。

そこからこっそり見上げると、
額にキラリと光る物。

もしかして、ずっと走っていたのかな…
私を探して…?

そんな都合のいいことを考えていると

「睦は俺のなの!
触れていいのは俺だけなんだよ!」

「なんでさ!最後なんだから
ちょっとくらいいいでしょ!」

「いいワケあるか!
とっとと消え失せやがれ!」

「ひっど!もうちょっとなんかないわけ⁉︎」

………あー…もしかして…


「なかよし?」


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