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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第42章 おにごっこ 〜誕生日企画〜





「それはおいといて…。
睦ちゃんは、他の子よりも
鬼に狙われやすいから気をつけてね?
せっかく僕が我慢したんだから
他の鬼になんか食べられちゃダメだからね」

「え……っあの、鬼さん!」

睦ちゃんは僕のことを凝視めて
おおっぴらに驚いてみせる。

それにしても…
鬼さんって…
そんな呼ばれ方、初めてだ。
なんて、愛しい子だろう。

「ねぇ聞いてるの?もしかしたら、
宇髄にだって守りきれないかもしれないよ?
睦ちゃんが、
しっかりするの、わかった?」

「わかりました…!でも…!」

「いいんだよ、大丈夫…」

睦ちゃんはやっと治まった涙を
再び下瞼に乗せた。

「他の男の前で泣いたらだめだよ。
付け入る隙を与えちゃいけない。
ほら、もうすぐ宇髄が来るから…
ごめんね、怖い思いをさせて」

「そんなこといいです…!
あ、…どう、…どうしたらいいの、」

小さな手が、行き場を失くしてる。

宇髄、早く来い…。
でないと大切なこの子が、
僕の為に泣いてしまうよ…?

君はそんなの、許さないでしょ

「睦ちゃん、泣くのは、
彼が来るまで我慢だよ?
僕はもう、慰めてあげられない…」

だってもう力が入らないんだ。
この手だって、崩れ始めているのに。

「睦ちゃん、
最後の魔法をかけてあげる…
すぐに、終わるから…」

僕は最後の力を込めて、
彼女のおでこに口づけた。
























昔話や物語に出て来る鬼は、
人の暮らしを脅かすもの…。

私も漠然と、鬼は怖いものだと思っていた。

でもこの目の前の鬼は、
なんて優しげなんだろう?

赤い髪が綺麗…
涼しげな目元も、
片肌脱いだ格好も垢抜けていて素敵。
全然いやらしく感じないし、
装飾品もとてもよく似合って……

なんて。

何を言っているんだ。

さっき自ら、
私を食べるつもりだったと言っていた。

鬼は、人肉を喰らうのか…。
そりゃ、宇髄さんや煉獄さんに
やっつけてもらわなくちゃならないな…

……この人も、本当に人間を食べるのかしら…


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