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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第42章 おにごっこ 〜誕生日企画〜





こんなに幸せな事があるだろうか。
鬼になってからというもの、
埋められ無い心の穴がずっと存在していた。
なのに今になって、それがきっちり、
塞がれたように感じていた。

「好きになっちゃったから」

「えぇっ⁉︎」

睦ちゃんは飛び上がらんばかりの勢いで
大きな声を上げる。

いい反応をしてくれるなぁ。

「好きに、なっちゃった」

「わ、私を⁉︎ですか⁉︎」

「そうなんだ…。だから、
僕のお嫁さんになってくれないかなーって」

「およ、め、さん…?」

ぽかんと口を開け、
ポケッとした目で僕を凝視めた。
そんなおまぬけな顔もまた可愛い。

「うん」

「あの!だめです!あの、だって
そんな…えぇと…私…!
だいすきな、ひとが…いるし…」

「わざわざ大好きって言う必要あるー?
好き、って言えば充分伝わるよー」

「あぁッ!だって…!だいすきだから…」

睦ちゃんは慌てふためきながら
目をあちこちに泳がせた。

「はいはい、わかってるもんね」

そうだよ、僕の術を破る程の強い想い。
その小さな身体からは
溢れ出してしまいそうな
めいっぱいの気持ち…

「あーあ…睦ちゃんはさ、
僕が好きだった人に似てる…」

「え…好きだった人…?」

「うん。小柄で元気いっぱいな人。
よく笑う可愛い人で、
いつも僕のそばにいてくれた」

「……」

「睦ちゃんを見てたら
その人の事を思い出しちゃったよ。
だから、睦ちゃんの事を好きだって
勘違いしちゃったのかもしれないなぁ」

そんなわけはない。
この気持ちは本当だよ。

だけどそんなの、君には迷惑なだけでしょ?
僕はもう消えるから
そういう事にしておいた方がいいんだ。

…それでも、この想いを
君に焼き付けたい。
少しだけいじわるをした僕を、
許してくれる…?

その時、木々の間から朝日が差し込み
本格的な朝を迎えた。

「睦ちゃん、…君はさ
…んー、宇髄がいるから、
きっと大丈夫だけどね、」

「えぇ…?宇髄さんを知ってるんですか?」

「知りたくなかったけどね」

ほんと、やなヤツ。


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