• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第42章 おにごっこ 〜誕生日企画〜





「…どういう事だ」

「睦ちゃんには、
僕が完全に『宇髄さん』に見えてるからさ」

「俺は俺だ」

「そうだけど…多分睦ちゃんには、
君は鬼の姿に見えてると思うよ」

「だから何でそうなる」

「そこらへんは僕にもわからないんだよね。
でもどの女の子に訊いても
本物の相手が鬼に見えるって言うから
きっと今もそう見えてるはずだよ」

何だって…?

「だから今、
君は睦ちゃんを襲いに来た鬼で
僕はそれを守る『宇髄さん』なわけ」

「てめぇが俺になり得るかよ!
だいたい喋り方も全然違うだろう」

つい声を荒げると、
ヤツの背中に隠れた睦が
そこからぎゅっと腕を回して
その腹に抱きついた。

覗いた小さな手が震えている…
本気で、怯えている。

鬼はその手に自分の手を乗せ、

「大丈夫だよ、睦ちゃん。
僕がいるからね、」

わざとらしく囁くと
睦の手を握ってからクッと引き
俺に見える角度で
これみよがしに睦を抱きしめた。

「怖くないよ…僕と一緒に逃げようね」

頭のてっぺんに唇をうずめ、
どうだと言わんばかりの視線を
俺へと流してくる。

こんな時に、
何をしてんだと思われるかもしれないが
…多分、柱失格だけど、
嫉妬、なんて可愛い言葉じゃ
到底収まり切らねぇ感情が、
俺の全身から吹き出していたと思う。


睦、俺が鬼に見えるか?
ソレが、俺に見えてるのか。

だからそうやって寄り添うんだな。

じゃあ、あぶれた俺は…?

お前が俺の認識を間違えたら、
俺はどうなるかって…

取り返すしかねぇだろ…!

睦だけは諦めねぇ。
何があっても俺のものだ。
しんみりしてる場合じゃねぇんだよ…!


さすがは鬼。
気配には鋭い。
俺が気合いを入れた事に気づくと、
何か行動を起こされる前に

「睦ちゃん、掴まって?」

「えぇ…?…っわ‼︎」

睦を連れて逃げる気だ。

横抱きにされた睦は驚いて
素直に鬼の首に手を回す。

もうその画を見ただけで卒倒しそうだ。


/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp