第41章 輪廻 〜if〜 後
私があんなに嫉妬に狂って
今こんなに焦っているのに、
この女、1人でスンっとしやがって…!
なんだ!
なんでこんなにいけ好かんのだ!
「ンなこと言ったか」
「言ったわよ!
あんな中途半端で私が納得するわけないわ。
睦ちゃんにも
ちゃんとお話ししとかなきゃいけなかったの。
今も思い切り誤解させちゃったとこだから
解こうとしていたのに、邪魔者が来ちゃったわ」
「誤解…?」
「おい、邪魔者ってまさか
この俺様のことじゃねぇだろうな…?」
「あなたに決まってるでしょ、
今、初の女子トーク中なのよ?
オトコなんか邪魔でしかないわ」
凄んだ先生を軽くあしらって、
ナギリは私に向き直る。
「睦ちゃん、申し訳ないんだけどねぇ」
意味深な笑みを浮かべ
思わせぶりに言葉を途切れさせた。
…なんだよ、何言うつもり…?
「さっきの、宇髄くんじゃなくて
私の旦那サマとのコトよ?」
——今までどうやって過ごして来たかとか
何が好きでそれについてどう思うのか
彼に作ってあげたら大喜びで食べてくれるし——
…………
「うっ…そでしょ⁉︎
ややこしい言い方すんなよ!」
「えー?私のせいじゃないわよ。
勝手に勘違いしたのは睦ちゃんよ?」
「あのタイミングであんなふうに言われたら
誰でもそう思うわ!」
「そうかしら…?でも、そうよねー。
きっと勘違いしてるんだろうなーって
思ってたの。ふふ、可愛いわぁ」
くっ、そ腹立つ‼︎
絶対おかしいって!
みんなして人のこと可愛い可愛いって!
「ばっばかにしてんの⁉︎マジでムカつく!
だいたい存在からしてムカつく!
当たり前みたいにこんなとこまで来て!
何目的だよ浮気者!」
八つ当たりにも程がある。
さっき私の中で巻き起こった大火事が
あちこちに飛び火して、
余計な気持ちたちを呼び起こした。
怒り、悲しみ、妬みに不安、
あらゆるマイナス思考が発動して
もうわけがわからなくなる。
そんな私の目の前に先生がやってきた。
怒り狂う私を物珍しそうに覗き込む。
「…百鬼、こいつに何言ったの。
睦は俺以外に
こんなふうになるヤツじゃねぇんだけど」
「えっそうなの⁉︎すごーい私トクベツじゃーん」