第41章 輪廻 〜if〜 後
だからこの間、先生はこの人に
月曜日に学校来いって言ったのか。
「同級生のよしみで、なんて事全然ないのよ?
厳しいわよね。
まぁそこが、彼のいい所なんだけど」
頭の奥の方で
プチッという音が鳴ったような気がした…
やばい、なんか切れた。
切れたよ先生。
そこが彼のいい所と来たか。
私だって知ってるし!
つうかウザい!
何でこんな話を聞かされなきゃならないの?
「油売ってないで早く先生んとこ行って
営業して来たらいいんじゃないスかね」
「え…」
私の放ったひと言は
ナギリを直撃したらしく
彼女はポカンとしてこちらを見ていた。
「あー…あぁあ!わかったー!
わかっちゃった!」
ナギリは突然、満面の笑みを浮かべて
窓辺に立っていた私のそばまでやってくる。
「睦ちゃん妬いてるんだぁ!
そうよねー、そりゃそうだよ、
いきなり私みたいなのが出てきたら
そうもなるって」
「な…何勝手に納得してんスか。
迷惑なんで!やめてもらえます⁉︎」
「いいのよ、当然だわ。
あぁ、やっと納得いったぁ。
でももともと付き合ってたわけでもないし。
好きだったとかもないから安心してね?」
にっこり笑ってみせるけれど…
私のモヤモヤは解消されず。
「あー、でも…高校生のあなたには
理解できないよね、気持ちはないのに
カラダの関係を持つなんて…」
「……いや、それは…」
わかる。
わかりたくもないのに。
そんな事が毎日、だったから。
私の様子に何かを察してくれたのか、
「そっか…きっと色々あったんだね」
ナギリは早々に話を切り上げてくれた。
そして、
「なら話は早いじゃない。
私たちにはお互い気持ちはなかったんだから。
今愛されてるのは睦ちゃんだけだって
はっきりしたでしょう?
私の事は嫌いでも別に構わないけど
その事で睦ちゃんが
気を揉む事はないからね?」
何だこいつ。
…勝手にどうでもいいこと話し散らして。
「私を拾ってくれたのだってね、
キズついてた私をどうにかしてくれるためよ。
悪ぅい男に騙されてさ。
その時付き合ってた男にだったんだけどね、
独り立ちする為に貯めてたお金、
騙されて全部…持ってかれちゃってさ」