第41章 輪廻 〜if〜 後
「帰らないの?もう授業終わったでしょ」
当たり前のように話しかけて来るけど
私たち別に仲良くないんですよ。
「…私3年なんで」
「えっ?そうなの。
じゃ授業ないんだ、やったね」
やったのかどうかはわからないけど。
「で…?宇髄くんはどちら?」
「…………」
キライなんですけど。
って、言ってもいいかな。
先生に怒られそうな気がする。
「先に職員室寄るのが常識じゃないスか」
「えっ職員室なの?事務に寄ったら
ここにいるっていうから来たのに」
「割りとさっき行ったばっかりだから
入れ違いになったんじゃないスかね」
「そっか、でもあなたに会えてよかった。
ちゃんとお話ししなくちゃって思ってたの」
「はぁ…別にいいっス。
職員室行ってくれていいんで」
「……名前聞いてもいいかしら」
うわぁ、人の話聞かないタイプ。
余計に苦手…。
「私は百鬼よ。百鬼那伽。
ナカちゃんって呼んでいいよ」
呼ばねぇし。
ていうか……名乗られてしまっては
こちらも名乗るのが礼儀というものだ。
…しょうがないか。
「…櫻井睦」
「睦ちゃんね、
睦ちゃんて呼んでもいい?
あのさぁ、睦ちゃんて、」
呼んでもいい?じゃないじゃん。
もう呼んでんじゃん。
せめて『呼ぶね』って言えよ。
つうか睦ちゃん睦ちゃんって
うるさい!連呼すんな。
あ″ー言いたいこと山積みなのに!
でも先生に怒られるのはイヤだ。
「私のこと嫌いよね」
「………」
「なんでなんで?あ、わかった!
睦ちゃんの事ペットった言ったからだ。
ごめんね、でも宇髄くんに聞いたら
本気だって言うじゃない?
あの時は知らなかったから
あんな言い方になっちゃっただけなの」
先生、そんなこと言ってくれてたんだ。
「…別に」
「あら?そう…。じゃなんでかしら?」
「私の事はいいから職員室行ってくれば…
そういえば、何で学校にいるんスか」
「私の仕事、学校教材の営業なの。
来年度はもうムリだけど…
つかってもらいたい教材があるのよ。
その売り込みをしてるの」