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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第41章 輪廻 〜if〜 後





どこにも行かずに。

特別な事なんかしなくてもいいんだ。
あれが私にとっては最高の贅沢だった。

先生の作るごはんはとってもおいしいし、
私が作ってあげると
大袈裟すぎるくらいに喜んでくれる。

洗濯を一緒にしたり、掃除をしたり
ゆっくりテレビを見たり
ソファに寝そべって他愛のない話をしたり。

あんなふうに誰かとゆっくりできる時間を
私は知らなかったから。
それを先生と2人でしたかったの。

だから、とっても幸せだった。

その話を、昨夜ベッドの中でしたら
先生はすごく嬉しそうに微笑んで、
キスをして抱きしめてくれた。

あぁ、こうやって素直でいれば、
先生は私に優しいし、
喜んでくれるんだって思ったんだ。

好きな人が喜んでくれたら私は嬉しいし
…だから意地張ったりしないで
私は素直でいたいなって
やっと心から思うことができた。

まだ少し、自分がこんなふうに
楽しんでいていいのかなって思う時があるけれど

その度に先生に話すようになった。
先生は、いいんだよと頷いてくれるから。
そうしてもらうだけで、私の心は軽くなる。
私はこれでいいって思えるの。



窓の外の景色を眺めていると
美術室の方から人が入って来る気配がした。

放課後で、もう授業もないために
準備室に通じるドアは開きっぱなし。

この間の事があって
一瞬身構えてしまったけれど、
あんな事がもうあるはずがないと思い直し…
それでも私は下腹に力を入れた。


トラウマになんかさせないんだ。
だってこの場所は、先生との大切な場所。
始まった場所と言ってもおかしくないもの。

私のためを思って
先生は来るなって言っていたのに
無理やりついて来たんだから。

そう、これは言わば試練なのだ。

イヤな思い出を残して卒業したくない。
ここは大切で、輝いていなければならないの。
私の美しい思い出のために…!


「…あらぁ、かわい子ちゃんがいた!」

えぇええ……
まさかの人物登場に私は思い切り萎えた…

「やぁだぁ、私に会えて嬉しいのー?
ほんとにかわい子ちゃんなのね、」

「……」

先生、本音が顔に出ちゃうの、
ほんとに先生相手の時だけみたい。

後でまた、可愛いヤツって抱きしめてくれる…?


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