第41章 輪廻 〜if〜 後
「えぇ…っ、
そんな使い分けみたいなことしてないよ」
「そうなのか、じゃ無意識って事だ。
……お前可愛すぎるだろ」
「…なんですぐそうなるの?」
「だってほんとの事だ」
「知らないよ。
言われすぎると現実味なくなるよ」
「照れ隠しだろ?」
「うるさいな!」
ムカつく!
その通りだからムカつく‼︎
先生はカラカラ笑ってから
「さ、マジで食ーべよ。
あとチーズ入れるだけだしすぐだぞ、
俺スープ作って来るからお前座っとけ」
私をダイニングテーブルの脇に下ろそうとした。
「やだ」
きゅっと膝を曲げて床までの距離を取る。
「はぁ?」
首をひねる先生にしがみついて
「私も一緒に作る」
わがままを言ってみる。
…許されるはずだから。
「…睦も、」
「そう、だって今日は離れてくれないんでしょ?
さっきそう言ってたもん」
「言ったけど。先に食ってりゃいいだろ?
腹減ってんだから」
「先生だってお腹すいてるんでしょ?
それに私、一緒に食べたい。
でも1人で待ってるのなんかイヤだから
一緒に作りに行きたいの」
「俺と?」
やけに嬉しそうだ。
先生だってすぐ顔に出る。
私のこと言えないと思うんだよね。
「そう、先生と」
「そっかぁ、俺とずっと一緒がいいのか」
先生はくるりと向きを変えて
そのままキッチンへと向かった。
「そう、先生があんなふうに言うから
もうその気になってるの。だからもう
日曜日の夜まで離れてあげないからね」
「わー、嬉しいけど拷問みたーい…」
「なんでよー?」
「だってずっと一緒にいて、
こうやってくっついてんのに
手ェ出したらダメなんだぜー?
イケナイコトしたくなっちゃーう」
「先生は自分で言ったことは
最後まで貫き通すステキなオトナだから
絶対に大丈夫ー!」
「やべー、信頼失わねぇように
この拷問に最後まで耐え切らねぇとなぁ。
明日の朝、
屍になってたらちゃんと弔ってくれよな」
「明日の朝ぁ?早すぎでしょ、
あと2日半あるんだよ?
私のこと、悲しませないでよね」
「そういう事になるのか。
じゃ睦を悲しませねぇために
全身全霊で念仏でも唱えるか」