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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第41章 輪廻 〜if〜 後





これが先生の『愛』ってヤツかな。

『好きなんだから触れてぇに決まってるだろ、
どんだけ我慢してると思ってんだ…』
ちゃんと聞いてたよ、そう言っていたの。
それでも卒業まで待つんだ。
あと、半月とちょっと。

……へんな人。
こんな人がいるんだな。

「だからそれまで、
勝手にやきもち焼いたりしねぇで
おりこうにしてろよ?」

「……」

「さて、メシでも食いに行こーかねぇ」

「うわ…っ」

先生は私ごと立ち上がって
部屋のドアへと向かう。

「高…っ」

抱き上げられている私は
先生の目線とほぼ同じ高さ。
背の低目な私には初めての経験…

「先生、私歩ける…」

「知ってる」

「そうなんだ…」

「そうなのよ」

途中、床に落ちていた、
チーズ入りレジ袋を拾い上げ
リビングへと向かう。

…何のためにこのカッコなのか
疑問を抱きつつ、
暴れて落とされてもつまらないので
おとなしくしていると

「……暴れたりとかしねぇの?」

先生が不思議そうに訊いてきた。

「…しない」

「へぇ、いいんだ」

「よくはないけど落とされたら困る」

「落とさねぇと思うけど…
いいな、この感じ」

「うん…?どの感じ?」

「お前が俺のすることを
おとなしく受け入れる感じ」

「………」

「だって睦、
いっつも俺のこと突っぱねてばっかだったろ。
助けてやるって言ってもほっとけって怒るし
俺がなんかしてやろうとすると
とりあえず拒否してたからな」

「……そう、だったかも。
だってさ私なんかに関わったら
絶対ひどい事になるって思ってたから」

「そうだろうな、今ならわかるけど。
でもほら、それに慣れちまってたから
こんなふうに委ねられると嬉しくなるな」

「…そんなもの…?」

「あぁ」

先生はニッと笑って
こめかみを私の額に軽くぶつけた。

「そっか、ごめんね。
自分の事でいっぱいいっぱいだったから…
とりあえずバレたらいけないって」

「睦は顔に出るからなー」

「う…そう、みたいだね、」

「素直なのはいい事だぞ。
今んとこ俺にだけみたいだしな」


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