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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第8章 続




支度が整っていないのを
わかっているような口ぶりに少し戸惑った。
…今の私の姿が見えているわけじゃ
ないよね…?
そう思いながらずるりと立ち上がり
着物を身に纏っていくのだった。




卓を挟んで、3対1。

「…」

「…」

しばし無言の時間。
私から申し出て設けてもらった時間だ。
有効にしなくちゃね。

「あの…お時間を頂きありがとうございます…。
雛鶴さん、須磨さん、先日は夜通しの看病、
ありがとうございました。大変でしたよね…。
なのに…
あんなふうに追い返すような形になってしまって
申し訳ありませんでした」

やっと、お詫びができてホッとした。

「それと…まきを、さん、
はじめまして。睦と申します」

畳に手をついて一気に言い切った。
頭を下げているので、3人の表情はわからない。
不快に思われていないか、
何故かそればかりが気になった。

「睦様、お手をお上げ下さい。
そのようにされては困ってしまいます」

「…えっ」

ぱっと顔を上げると
本当に困り顔の3人と出会う。

「…困り、ますか?」

「はい、謝ったりしないで下さいまし」

雛鶴さんは穏やかに言った。

「だって…せっかく来てくださったのに
あんな言い方をして…」

「当然です。知らされてもいない事を、
あのように暴露されたら…」

須磨さんが小さくなっていく。

「ごめんなさい睦様。
そんなつもりじゃなかったんです!
ただ、私たちは怪しい者じゃない事を伝えたくて…
天元様の名前を出したら、睦様も
安心されるかと思って…」

須磨さんは一生懸命に説明をしてくれる。
何だか、憎めない人だ。

「はい、それはもう、わかりました」

「…え?わかったんですか?」

須磨さんはキョトンとする。

「え?はい。宇髄さんのお嫁さんなんですよね?」

「睦様!初めまして、まきをと申します!
睦様、私たち天元様と決別するつもりで
います!天元様の睦様への
お気持ちを知って、
そうしようと思っているんです」

必死に訴えてくれるが…

「…ですけど、
未だに決別していらっしゃいませんよね?」

嫌味でなく、私は言った。
3人は、ぐっと言葉を詰まらせた。




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