第41章 輪廻 〜if〜 後
「あの中のひとりになんか、なりたくない」
何もしないくせに。
臆病で
自分から好きだなんて言えないくせに。
そのくせに欲しがるだけ欲しがって…。
汚い私。
ずるい私。
それでも、
「私は…」
焦って答えを求める私に、
「睦は特別だ。
あいつらとは違うに決まってる」
先生はちゃんと応えてくれた。
だけど、
「こんな私でも…?ずるいでしょ?
私は、先生に何も言わないのに…」
私は気持ちが整わないんだよ。
あの子たちと一緒くたにされたくないくせに
特別な差別化を図ろうともしない。
ただじっと、怯えているだけで。
こっちに答えをくれたって、
今度はあっちから疑問が湧いて来る。
どれだけ認めてもらっても
不安は消えるどころか増すばかり…。
「どっちなんだよお前は…」
小さく吹き出した先生は、
ふと真面目な目をして、
でも口元に微笑みを湛えながら
「言いたくねぇ事を言う必要はねぇよ」
また私を甘やかす。
言いたくない…?
「言いたくないんじゃない…」
認めるのが怖いだけだ。
わかってもらいたいのにもらえなくて
ちゃんと伝えたいのにそれも出来ない。
そんな自分に苛立って、
「もう、いい」
私は考える事を放棄した。
「おい睦、いつまで逃げてるつもりだ?
俺もそんなに待ってやれねぇぞ」
通り過ぎようとした瞬間に飛んできた
先生の言葉がナイフのように突き刺さる。
待ってやれない…
そうだよね。
あんなにたくさん、
想いを伝えに来る子がいるんだもん。
校内でアレなら、外に出たらもっといるよね。
背が高くて目立つし、
声おっきくて目立つし、
顔よくて目立つし……
イヤでも目に入る。
先生にとってはよりどりみどりだよ。
そんな人がいつまでも
私みたいなのにこだわってる必要はない。
頭ではそうわかっているのに、
縋るような情けない目を向けてしまう。
その意味を、先生には気づかれた気がする。
「あーあ…手のかかる女に惚れちまったなぁ…」
言葉の割に楽しそうに笑って
「しょうがねぇからホラ、
可愛い睦にプレゼント」
先生は私に1歩近づいた。