第41章 輪廻 〜if〜 後
なんだか、
…おちょくられてるように感じた。
きっと、真面目だったんだろうけど。
「あげない…!」
つい声を荒げて、先生を睨みつけてしまう。
あげない、だなんて。
まったくおかしな話だ。
「そっか…。くれねぇのか」
さほど落ち込む様子もなく、
先生は私を穏やかな目で見下ろしていた。
その全部を見透かすような眼が
煩わしくて仕方ない。
一体私は、どうしてしまったのか…
「私を…あの子たちと一緒にしないでよ…」
私の口をついたのは、多分本音。
私自身気がつく事の出来なかった、本心だ。
口に出して、初めて気がついた…。
「何だって?」
ボソリと言った言葉は、
耳のいい先生にも届かなかったようだ。
それならそれでいいと、
再度キッチンに向かおうとする私の腕を
ハッシと掴んだ。
だめだ、どうしよう。
泣きたくなって来ちゃった。
何で私はいつもいつも、
1番泣いたらいけない所で
泣いてしまいたくなるんだろう。
これじゃあ、優しくしてって…
慰めてって言っているのとおんなじだ。
そうじゃないのに…。
「ちゃんと話せ。そうする約束だ」
優しかった声が少しだけ沈む。
約束…
そうだった。
俺にはなんでも話せって…。
「…バレンタインなんて、」
掴まれた腕が痛い。
そんなに強い力じゃないのに。
「私には関係なかったから…
あげようなんて…思いつかなかった。
でも今日…みんなが先生に渡そうとしてるの見て
私も……渡すべきなのかなって…」
涙を堪えて話すから、
声が無様に震えて仕方ない。
泣きそうなのをわかっているから
先生も急かす事なく
じっと待ってくれていた。
「だけど…先生が…あれを受け取るのかって
思ったら、…私あの子たちと同じになんか
なりたくないって…思ったの。
だから帰ってから、作るのやめた」
「…作ろうと、してたのか?」
「してた…まだ間に合うのかなって…
でも、…あの子たちと一緒になるのが
すごく嫌だったんだもん…」
「睦、」
「私は違うって思いたかったの…」
勝手な言い分だよ、わかってる。
それでも私は…そう思いたかったんだ。