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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第41章 輪廻 〜if〜 後





多分、部屋の中は全て探し尽くしたんだろう。
もうここしかないと思っただろう先生が
バルコニーに出て来たのがわかった。

玄関に脱ぎっぱなしの靴。
先生に買ってもらったボアのブーツも
靴箱に入ってる。
先生の言う通り、
私は間違いなく帰っています。

でもかくれんぼなんかしてないよ。
いじけてるだけだもん。
…自分でもわかってるんだけどね。

もうちょっとほっといてくれたらいいのに。
そしたら、もしかして
笑顔でおかえりって言えたかも知れないのに。

なぁんてね。
そんな、ありもしない事を考えながら
揺れるチェアの上で
膝を抱えて縮こまっていた私は、
身を隠すものすらなくて
吹きっさらしになっているくせに
このまま見つからなければいいのになぁと
無茶な事を考えた。

「睦…っ」

名前を呼びながら歩いて来た先生は
私の座るチェアを通り過ぎ、
キョロっとこちらを向いた瞬間
そこに座り込んだ私を見つけ息を詰まらせる。

「ぅあ…っ」

両腕を取られ
ものすごい勢いで引き寄せられたかと思うと、
先生の肩が胸元に強くぶつかって
一瞬タックルされたのかと勘違いするくらい
激しい衝撃に襲われた。

落ち着いて目を凝らすと
片腕に抱え上げられて運ばれているよう…。

大股でバルコニーを横切って
何が何だかわからないまま
あっという間に部屋の中。

先生は無言で私の足をゆっくり床に着けさせ
ガラガラとシャッターを下ろして
窓のカギもしっかりと閉めた。

「外出るの禁止!」

「……おかえり」

仏頂面をしてるのは自覚済み。
勢いのせいなのか

「は…?…あぁ…ただいま、」

先生は律儀に返事をした。
その間に私は先生の脇をするりと抜けて
キッチンへと向かう。

「こら待て。なんか言う事あんだろ」

何にもありませーん。

先生の呼びかけには応じず、
あまつさえ立ち止まりもせずに
私は目的地へと歩を進めた。

晩ごはんを作るために。

「睦!お前あのまま午後サボったな。
何回電話しても出ねぇし…!」

私の後を追い、先生は少し怒っているみたいだ。

「ごめんなさいね、」

やっぱり顔も見ないまま、
ひどく可愛くない謝り方をした。


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