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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第41章 輪廻 〜if〜 後





その気になれば、
身体も小さくて力も弱い私なんて
ひとたまりもないのだ。







その日、学校が浮ついていた。

色めき立っている、というか…
クラスの中、だけではなく、
学校全体が何やらいつもと違った様子。

あっちでこそこそ、こっちでひそひそ…

休み時間が来る度に
内緒話は頻度を増して
みんなが腹の探り合いみたいな事をし始めた。

教室の1番うしろにある自分の席について
私はその様子をぼんやりと眺めていたけれど、
みんながわらわらと散っていくのを見て、
もうお昼なんだという事に気がついた。

平和な日常は私の頭を溶かしていくようで、
時間の流れさえ忘れさせる。

私も、先生の所へ行かなくちゃと、
お弁当の袋を抱えて立ち上がった所へ
近くの席の女子が
『チョコレート』
という単語を口にしたのを聞いて
私はハッとした。

バレンタインデー…

2月14日だ。

だからみんな、そわそわしてたのか。
私はぐるりと教室を見渡して、
みんなの様子を窺った。

いつもは男女関係なく談笑しているというのに
今日はきっかり、男女に分かれてのランチ。

この後、昼休みに渡すのかな?
それとも放課後?

勝手な想像を膨らませつつ、教室を後にする。


私は4階を目指しながら
何故だか
置いてけぼりをくらったように感じていた。

1歩前へ進むんだとしたら、
今日という日は格好のイベントではないか?
それをみすみす逃そうとしている。

学校からの帰り道、
数あるコンビニやスーパー、洋菓子店で
バレンタインの雰囲気を感じ取っていた。
…にも関わらず、
今まで自分には関係のないものだった為に
完全にスルーしていたのだ。

何をやっていたんだ私は。
みんなちゃんと用意周到に準備を
進めていたというのに…。

こういうのに乗っからないでどうする。
先生にちゃんと伝えるチャンスだったのに。

あー…バカね。
前に進めなくて、
もうそろそろちゃんとしたくて、
絶好のチャンスが目の前にあったのに。
帰ってからでもまだ間に合うかなぁ…

美術室に入り
大きなため息をつきながら
準備室のドアを開けた……瞬間、
中のひといきれに息を飲んだ。


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