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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第41章 輪廻 〜if〜 後





「わかんねぇならそれでもいいよ。
…あー…可愛いなぁ…」

もう1度抱きしめ直しながら
先生はため息混じりにそんな事を言う。
でも私としては全然よくない。
何にもよくない!

私を差し置いて何で先生がわかってるんだ。
私本人がわかっていないというのに。

不機嫌丸出しでいる私に気づいていながら

「早くわかればいいのに…」

先生は尚もそう続けた。

わかるも何も…。
わかり得ないのだ。
誰かに恋するどころか、
好きだという感覚もよくわからない。

あの人に捨てられるのは怖かったけれど
好きだったのかと問われれば
それすらもわからない。
その後の生活の事を思うと不安しかなくて
捨てられないように縋りついていただけで、
好きだったかなんて事、
今となってはもうわからないんだよ。

「…誰かに頼らなきゃいけない自分がイヤだ」

だから早く自立したかった。
なのに、

「俺は睦に頼ってもらえて嬉しいな」

先生は当たり前みたいに笑った。

「………」

嬉しい…?

「お前の事は、面倒には思わねぇよ?
惚れた女が、俺だけを頼りにしてるとか
素晴らしい状況だろ?
なんも考えずに、もっと甘えてくれりゃ
それが1番なんだけど…お前には難しいだろうから
せめてここに残ってくれると
俺は幸せなんだけどなぁ」

「それは…」

先生の本心かと尋ねようとすると、
息もできないくらいに
ぎゅっと先生の胸に押しつけられる。

「睦をごまかしたりはしねぇの。
お前には、
ほんとの事だけを言うって決めてんだ。
信じる信じねぇはお前の勝手だが…
俺は睦には本当の事しか言わねぇ」

先生にここまで言わせて、
それでも私はまだ受け入れられないのかな。

大人なんか…

ずっとそう思ってきたけれど、
…この人は、
私の知っている大人とは違うんじゃないかな。
薄々気付いてはいたんだ。
だって、散々言われていたことだ。
私がわかりたくなかっただけで。

都合よくそんなこと言われてさ、
うっかり鵜呑みにしたらどうなるかなんて
火を見るよりも明らかでしょ。

結局私は自分が可愛くて
人の気持ちには気づかないフリをしていたの。


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