第41章 輪廻 〜if〜 後
…安易に好きだなんて
言ってもよかったのかな…
ほんとに好きか、わからない状態なのに。
でも今更ひっこめられないし。
「先生…」
ジッと私を見つめた先生。
…あぁ、
「俺のこと、
やっぱ好きじゃねぇとか言わねぇだろうな」
バレたと思った。
「好きじゃなくないよ。でも、
先生の好きと違うかもしれない」
「…すっげぇほんとのこと言うのな」
「ほんとのこと言えって言ったじゃん」
「そーね。…まぁ、おいおいだな」
特に慌てるでも責めるでもなく、
先生は静かにビールを飲んでいる。
「…余裕だねぇ」
「俺が好きなんだから、
お前も俺を好きになるに決まってるだろ」
「へぇ…?」
気の抜けた返事しか出てこない…。
なんて自信家。
呆れるのを通り越して感心する。
そんなこと思ったりするもの?
私には到底ムリな考え方だ。
「睦は今、俺の掌の上だからな」
「……掌の上⁉︎」
転がされてるってこと?
なんて言い方をするのだろう。恐ろしい。
私の怯えを感じ取ったのか
「俺に守られてるって事」
先生は言い方を変えた。
「絶対ウソだ」
「なんでよー。俺可愛がってんじゃん」
「先生が言うと違うイミに聞こえるんだよ」
可愛がるって、…。
「はいはい…。しょーがねぇ小娘だよホント」
「ショーガネー先生なんだよ。
生徒をそんな目で見るとか」
「そりゃそうもなるだろ」
先生は飲み干したビールの空き缶を洗いに
キッチンへと向かう。
何をしていても絵になる感じ。
「先生はさ、」
「んー」
本当にマメな性格なのか、
空き缶用のダストボックスがちゃんとあって
綺麗に水洗いしたそれをパキッと潰してから
踏んで開くダストボックスの蓋を上げ
そこへカランと投げ入れた。
…ホント、ここは必要な物がなんでも揃ってる。
「私がここに住まわせてもらわなかったら
先生は私の事なんて
きっと何とも思ってなかったよね…?」
「まぁ…そうだろうな。
お前、学校じゃほとんど喋らねぇし
多分俺から関わろうとはしねぇから
よくわからねぇ生徒で終わってただろうなぁ」