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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第41章 輪廻 〜if〜 後





俺が衝撃を受けた事が知れたら
睦を傷つけてしまうような気がした。

「じゃあほら、」

俺は自分のブルゾンを開いて
中においでと招いてみる。

「…それじゃ歩きにくいでしょ」

「おぉ。でも寒ィよりはマシだろ」

「私はいいよ。先生が歩きにくいから」

「踏まねぇように気ィつけるから早よ来い」

「踏まないって…」

小さく笑った睦は
開かれたブルゾンの内側へ入り込み
その半分を自分の身に巻きつける。

さすがの睦も
この寒さには参っていたようだ。

出かける時に気がついてやらなかった俺も俺。
いや、そりゃ薄着だなとは思ったが
あまりにも平然と『お待たせ』なんて言って
部屋から出てきたモノだから
平気なのかななんて思ってしまったのだ。

こいつの冷えを知ってるというのに…。

「あったかーい!」

歓喜の声を上げる睦。

既に冷え切ってしまっていた
睦と上着とに隙間が出来ないよう、
押し付けるようにぎゅっと抱いた。

「次の土曜は買い物決定な」

「買い物?」

「そう!足りねぇモン買いに行く」

「あー…」

「…気にすんじゃねぇぞ」

金の事だろ、どうせ。

「気にするよね…」

「野暮なこと言うんじゃねぇよ。
自分の女に好きなもの買ってやるなんて
男の甲斐性みてぇなモンだ。
いいから黙って感謝してろ」

「…うん。ありがと」

やけにしおらしい。
…どっちがほんとの睦なんだろうな。

…いや、どっちも睦なんだろうけど
口が悪かったり
奔放に振る舞ったりするのは
本心を隠すための手段のようだと、ふと思った。

隠すような、何かがあるのか。

さっき家で、
自分の部屋に入る前にジッと考えていたのは
服の事だったんだろうな。
薄着で出かける際に、
何かを言われるだろうかと悩んだに違いない。

俺の上着の中で小さくなっている睦を
歩くように促しながら、

「なぁ、悩む前に、俺に言えば?」

「なにを?」

両手に息を吹きかけながら
睦は前を向いたまま訊いた。


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