第41章 輪廻 〜if〜 後
「違うのー?」
「…そんなのわかんないよ」
「睦はわかんねぇ事ばっかだな」
「だってなんで先生が私のなの?」
「好きだからだ」
「好きだから私のなの?
おかしいでしょ。誰を好きだろうが
私は私のものです」
「はいはい。
そんなん言ってられんの今のうちだから」
すりすりと私の髪にに頬を擦り寄せ
「そのうち、俺のものになる喜びがわかる」
独り言みたいに言った。
「そんなの絶対わからないと思うよ」
「言ってろ言ってろ。でも、
俺のこと好きだろ?」
「うん、」
「俺も好きだからな」
「うん」
「キスしてもい?」
「ヤ」
「えぇえぇぇ」
強く抱きしめたまま、
しなだれ掛かるように体重をかけてくる。
「おっもい…‼︎」
咄嗟に先生の背中に手を回し服を掴んで
上方へ引っ張り上げる。
…そんなの無駄だとわかっていながら。
「つれねぇなぁ睦ー」
「やぁだぁ!潰れる‼︎」
「キスしてもいいって言えー」
「言うか!」
「潰れるぞ」
「脅す気か、卑怯者‼︎」
そう言い放った途端、
先生は私を押し潰そうとしていた力を
ぴたりと止めた。
そしてひょいと私を抱き上げる。
ふわりと浮いた身体。
「…ぅわ…っ」
初めての不安定な感覚に恐怖を覚え
先生の首元に抱きついてしまった。
「俺様を卑怯者呼ばわりしたな」
さっきのひと言は、
先生の何かに火をつけてしまったようだ。
「見てろよ。
お前からキスして下さいと言わせてやる」
……絶対言わないと思うよね。
もうダメだと思った後の、
まさかの逆転ホームランが、
どれだけの威力を持っているかと言えば、
もしかしてこの足は、
数ミリ宙に浮かんじまってんじゃねぇかって
勘違いするか、或いは
この俺でさえ
浮かれて叫び出したくなるほどで。
……
まさか、自分が好きになった女が
俺のことを好きだったなんて事を
ここまで素直に喜べる日が来るとは
思いもしなかった。
今までは、
俺を好きになった女が勝手に言い寄って来て、
断る理由もないから共に過ごす…
ただそれだけの関係だった。