第41章 輪廻 〜if〜 後
私の強い物言いに
先生は少し小さくなって承諾してくれる。
どうやらちゃんと聞いてくれる構えだ。
それなら、…と、
私も安心して続きを話し出す。
「そしたら、何か違って…。
びっくりするくらい何にも感じないんだよ。
慌てもしなければ、心地よくもなくて…
ドキドキもしないしほんっとに何も感じないの。
……先生の時と、全然違うんだ」
「……それは、…あー…ヘェ」
何かを訊きかけて、
質問は最後にと言われた事を思い出したらしい。
中途半端な相槌をうち、
先生は顔だけこちらを向けた。
先生の背中に張り付いた私は
それを感じて
顔を上げられなくなる。
恥ずかしいのと、
先生の反応が怖いのがないまぜだ。
これはさ、一世一代の大告白だよ…?
だって、
「私…誰かを好きになった事ないの」
多分、初恋なんだもん。
「これが、好きって事なのかも
よくわからないんだ。だけど、
今日、比べる人ができて、
先生が好きなのかなって思ったんだ」
「おい…」
「私みたいなのが、誰かを好きになんか
なるのもどうかと思うけど、でも……」
「こら睦、」
「…っなに!質問は最後って…!」
緊張MAXで気持ち曝してるのに
それを遮られて私は怒りにも似たものを覚えた。
先生はそれをきっとわかっていながら、
私の腕をそれぞれ掴んで外させると
今度は身体ごと
くるりとこちらを向いた。
「それがもし、愛の告白なんだとしたら
そういうのは相手の目を見てするモンだ」
「え…ッ」
目を見て…⁉︎
少し背中を丸めて、背の低い私を覗き込む。
先生がそうした事で
つい目をそちらに向けてしまった。
その強い目が合ったら最後。
逸らすなと、言われているみたい…。
「…でも、ほら…ほんとに好きなのかも
よくわかってないんだって…
あのクラスメイトと先生を比べただけっていう
失礼な状態だから…そんな、
愛?の告白とかそこまではちょっと…」
「ごちゃごちゃごたく並べんのはいいから、
ちゃんと、はっきり言え」
言え。
それが先生の優しさだってわかってる。
強く言われなくては、
私が自分から言い出せない事を知っているから。