第41章 輪廻 〜if〜 後
「…何の話だ」
「え…?」
急に雰囲気が変わった。
先生の声がさっきまでの怒りとはまた違う、
闇を含んだ物になったような気がする。
不穏な空気に私の涙も止まった。
「俺が聞きたくねぇ話を
聞かせようとするからだ…」
「聞きたく、ない…?」
「お前あん時なにしてた」
「あの時っていつの事?」
どうして先生が怒っているかわからなくて、
少しずつ自分を取り戻しつつあった私は
焦りを感じていた。
先生は、私が何を話すか知っているって事?
…それをわかった上で聞きたくないって?
「昼だよ。渡り廊下で何してた」
「渡り廊下で……。見てたの?」
美術室から見えるのかな。
だから前も、
あんなに早く助けに来てくれたのか。
「怖ぇよなぁ。知られてねぇと思ってた事が
しっかり見られてたんだ。
俺は、見たくなかった…」
先生の声……怒りに悲しみが混ざった。
なんだか…勘違いしてるんじゃないだろうか?
別に見られて困る事なんかしてないよ…?
「でも私、
先生に言わなきゃいけない事ができたよ」
「誤魔化すな、そんな話聞きたくねぇ」
「誤魔化すってなにを。
そんな事してないよ、私はただ…」
「じゃあアレはなんだったんだ⁉︎
俺の気持ち知ってるくせに違う男と抱き合って
…それを見せつけられて
俺がその場に居られると思うのか⁉︎」
…抱き合う、って…
「抱き合ってた、かな…
でもそれは大切な事だったからで、別に…
って、何⁉︎用事があったんじゃなくて
逃げただけなわけ⁉︎」
「大切だったんだろうなぁ。
でなきゃお前からわざわざ腕回したり
しなかったろうよ!
だいたいなぁ、この俺様が逃げたりするか!
嫉妬に狂ってしでかさねぇように
距離を置いただけだ!」
「何で先生が怒ってるの!聞いてよ、あのね、」
「怒ってんじゃねぇ…!
お前は、俺と違う男を選んだって事だな?
こんだけそばにいて…一緒にいて…
それでも俺じゃねぇ野郎がいいのかよ」
先生はガッと私の肘を掴んで
すごい形相で睨んで来る。
怒ってるじゃん…!
もう……
「ぃ痛い‼︎離して!」