第41章 輪廻 〜if〜 後
実はもう、来なくなるのではと内心諦めていた。
だから、今日も来た事に安堵を感じたその時だ。
その後ろに纐纈の姿を見つけたのは。
あの野郎…
あんな事があったというのに、
まだあの場所で睦を呼び止めやがる。
自分のした事がまったくわかってねぇな。
俺も人のこと言えた立場じゃねぇが、
それでもあいつよりはマシだと…思いたい。
呼び止められた睦は
特に怯えたふうでもなく
振り向いて何やら話をしている様子。
至って普通に、
ただクラスメイトと話をする姿にすら
フツフツと沸き上がるものを感じた。
あいつはいつも、
俺の所に来ようとする睦を引き止めやがる。
邪魔をする。
睦の気を引くな。
素直に俺の所へ来させろよ。
中途半端な事をする俺が
そんな勝手なことを考える。
何を話し込んでいるのか、
ここまでその声はさすがに届かない。
俺も見なきゃいいのに、
つい2人を見守ってしまう。
睦が1歩下がったのがわかった。
もしかしてまた、
何かを思い出させるような発言をしているのか。
また俺が行くべきなのか、
そこまでする必要はないのか
もう少しだけ様子を見ようとしていたその時、
纐纈が睦に
もたれかかるようにして抱きついた。
見てはいけないものを見たのと、
見たくもねぇものを見せられたのと…
完全に俺の機能は停止した。
こうやって、
大切なモンは奪われてしまったりすんのかな。
あいつだけは、俺のとこにいてくれねぇかな…
信じたくない光景を目の当たりにして
絶望を感じた俺。
そこへ追い討ちをかけるかのように…
今までじっとしていた睦が、
こともあろうに纐纈の背中に自ら腕を回した。
大きなハンマーで頭を殴られたくらいの
強い衝撃に襲われる。
あの時、
俺には、なんて言った?
あの時お前は、離せと言ったんだ。
俺にはおかしいと言ったけど、
そいつならいいって…
そういう事か…?
俺じゃなくて、?
先生がいない。
私は靴を脱いでリビングに入り
ガランとしている部屋に1人。