第41章 輪廻 〜if〜 後
「焦ってねぇし‼︎」
と、
およそ先生らしくない反応があって
間違いなく焦っている事が判明し…
ちょっと可愛いな、なんて思ったりして。
「そう、なんだ、」
曖昧な返事をすると
「あー…今すぐどうこうしねぇけど、
いつかどうこうなるから
今だけちょっといいか…?」
「なに…?」
人には主語と述語がどうとか言ったくせに
自分だってまったく意味不明な事を言う。
私が頭を悩ませている間に
長い腕が私を絡め取り
その内に私を閉じ込めた。
夜、寝る時以外にこんな事されるとは思わず
…いや、寝る時にされるのもどうかと思うけど
でもそっちはほら、ちょっと慣れたっていうか
あの広いベッドは苦手だけど
ぎゅってされると狭くなって安心するみたいな
そんな感じだから……
何を言い訳みたいな事してるんだろ私は。
「先生おかしいって…!」
「おかしいか?
俺が睦を好きになるのが?」
「は…っ?」
しっかりはっきりと言葉にされてしまい、
もう確定してしまった現実を
まったく受け入れる事ができなくて、
気を抜いたらふわふわと散らばってしまいそうな
覚束ない自分の心を必死に掻き集める。
何て言われたのか
さっき聞かされた事は本当なのか
それを嚙みしめるのがなんだか怖い。
深く考えたくない…
「何で…」
何で私なんか…。
「何でだろうな…可愛いって
思っちまったんだよ…
ツラい事あっても全然卑屈にならねぇし
表に出さねぇけど泣きてぇんだろうなぁとか
…なら、俺を頼ればいいのになぁなんて
そんな事ばっか考えるようになってきて…」
あれ。
なんか止まらない感じになってきてるんじゃ…
「もしこの先お前が
俺以外を頼るようになったらって今日考えた。
そんなのものすごく嫌だと思ったんだ。
そんな事になるくらいなら
今はっきり伝えとかなきゃと…焦って…」
「先生…!」
もう聞いていられなくて、
それ以上言わないように
私はそれを遮るように声を上げた。
「俺今センセーじゃねぇんだ」
「何言ってんの、離れて!」
「家にいる時は、センセー終わりなんだよ」