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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第41章 輪廻 〜if〜 後





「それなによ?」

んー…車?
いや、穴が空いてんな。
鍋?大鍋…
なにそれ。
やけに黒い絵だな。

「お前の頭ん中?」

「……」

「わかった、お前今眠てぇんだろ」

「はぁ⁉︎失礼すぎでしょ⁉︎」

睦が大声で言って、
周りにいた生徒たちは大いに驚いていた。
だが睦はそれに気づく事はなく…

「よくそんなこと言える!」

「今見てる夢の絵でも描いてんじゃねぇの?」

「見てないし」

「だいたいお前、何で美術なんだよ。
音楽の方がよかったろ。
いっつも歌ってんじゃん、
ヘッタクソな歌」

「いっつもって何⁉︎
いつも一緒にいるみたいな言い方しないでよ!
しかもヘッタクソって!」

「俺の耳をなめんなよ。
離れてても聴こえてくんの」

「犬なんじゃないの?地獄耳」

「聴く気なくても聴こえてくるよネ。
声はいいのに残念な歌が」

「歌なんか今関係ないでしょ」

「じゃそれ何描いてんのか教えろよ」

「なんで?テーマ自由なんだから
何でもいいじゃん」

ちょっと恥ずかしそうに目を逸らした睦。
周りの生徒たちの目が
自分に注がれている事にやっと気がついた。

びくりと身を引き攣らせ
その視線に耐えている姿が
ちょっと可愛いな。

「…櫻井さんて、フツーに喋るんだ、」

唖然として、
隣に座っていた男子生徒が言った。
それに誘発されるように
反対隣にいた女子生徒も

「ほんと…
誰かと会話してるの初めて聞いたかも」

物珍しそうに目を見開いている。

よしよし。
いい手応えだ。

周りを気にせず自分を出していければ
きっと気の合うヤツがみつかるはず。
もしかしたら
一生の友達になるかもしれないのだ。

だが睦と来たら
スンっと黙り込んでしまった。

「…何おとなしぶってんのお前」

「ぶってない!
私いっつもおとなしくしてるじゃん!」

俺に言い返してから
ものすごく不満そうに俺を睨み
プイッとそっぽを向く。

「いつもそうやってしてりゃいいのに、なぁ?」

両脇の2人に同意を求めると
驚きながらもコクコクと頷いた。


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