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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第41章 輪廻 〜if〜 後





「ねぇ先生彼女いるでしょ!」

肩の辺りを連続で叩いて
大声で呼びかけた。

先生は耳がいいから
これくらいの声を出せば
夢の中にまでだって届くだろう。

すると案の定、
先生はもそりと身じろぎをして

「んぁあ…?」

目を開こうとするも
なかなかうまく行かず
眉間にシワを寄せた。

「先生彼女!いるでしょ」

いるなら即出て行く!
そう決めていた。
でも、片目を無理やり開いた先生は

「…ンだ睦か……?
妬くな妬くな…大丈夫だよ…
俺にはぁ……お前しか居ねぇから……」

のんびりゆったり、
引きずったような喋り方をしながら
長い両腕を伸ばして私を抱きしめた。
宥めるように頭をポンポンされて
ぎゅうっと厚い胸板に押し付けられる。

ベッドに突いていた腕は
先生の力に負けて簡単に折れ
そこに倒れ込む格好だ。

「………は、」

妬く…?
妬くってなんだ。
違うよ、彼女の心配をしてるんだよ。

俺にはお前しかいない、って
浮気した男の常套句だ。
誰かと勘違いしてんじゃないの…?
でも私の名前呼んでたし…!

……いや、ただ寝ぼけてるんだよ!

「離せぇ!もう…起きて!」

頭の中でどれだけ否定しようと、
動揺はどうにも治まらない。
勘違いさせるような事を言う先生が悪い!
うっかりドキドキさせられた!

だってさっきの、…
あんなふうに言われたら勘違いするでしょ?

寝てるのにこの力。
押し返すだけではピクリともしない。
ここまで力の差があると恐ろしくなる。
でも思い切り勢いをつけて肘を立てると、
さすがに私でも
この逞しい腕を突破する事ができた。

解けた腕に驚いたのは先生で、
少しだけ肩をびくつかせ
バチッと両目を開けた。

やっと起きた!

「先生、私いっこ訊きわすれてたことが」

「エプロン似合うなぁ。朝メシなんだ…?」

「ある……えぇ…?朝?」

話の途中で先生が割り込んで来たせいで
私の思考はとっ散らかってしまい、
口と頭がちぐはぐになる。

何の話だったんだっけ…。

「よしよし」

にこにこ笑いながら
私の頭をごしごし撫でつける。


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