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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第41章 輪廻 〜if〜 後





「先生」

「ん」

「私は、学校行ける?」

不安を吐き出すなら今だと思った。
顔を見られる事なく
本音を吐き出せる気がしたから。

「卒業できるかな…?」

「当たり前ぇだろ」

「学費はどうなる…?」

「お前が気にする事じゃねぇ……
と、言いたいとこだが、
そういうワケにもいかねぇな。
大丈夫だよ。きっちり話つけてきたから」

「…あの人、出すって言ったの?」

にわかに信じがたい…
いや、今までだって払っていたんだけど、
それは私がしたお仕事の稼ぎから出てたわけで
…それをしなくなった私のために
学費を払う…?
あの人が?

「…どうやって?」

「お前の悪ィようにはしねぇって言ったろ?
何かあった時のために念書も書かせてある」

「……裁判、とかしちゃうわけ?」

「必要ならな。
今んとこ穏やかに済ませるつもり」

「そう…」

「安心していいぞ。俺も校長も理事長も
櫻井の為に全力だからな」

「なんで…?」

「お前がうちの生徒だからだろ?
あの2人は
生徒を我が子だと思ってるからな。
例えば櫻井じゃなくたって
一生懸命になると思うぞ」

……

「先生も…?」

「俺?」

「先生も、そう?」

「…ん?…あー、そう、だな…?」

先生の言葉が乱れがち。
私の曖昧な発言は先生の混乱を生んだ。

…私は先生に、何を言わせたかったんだろ。
ただ、

先生も私のこと、
他の子たちと同じ
ただの生徒なのかなぁって、思って
それがちょっと嫌だった…

「…何でもない」

そんな事は言えません。
自分でも、よくわかりません。

深く考えたら、いけない気がするんだ。

私は先生の手からスルリと逃れた。
はずだったのに…!

「離せ!いっつもねぇ、近いんだよ!」

片腕を強く腰に回されて
思い切り背中を反らして遠ざける。

「お前ちょっと太れ。
メシ作ってやるから」

驚いたように目を見張り
あっけなく私を解放して
とっととキッチンへと向かった。

……何だ今の。
ムキになって逃げようとした私が
馬鹿みたいじゃないか。

「あ、それと…」


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