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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第41章 輪廻 〜if〜 後





「…常備薬くらいあるわ。なめんなよ」

「そうなんだ…。うちなかったから」

「あー…、そうなのか」

先生はきっと、
自分をバカ扱いされたとか勘違いされたとか
そう思ったに違いない。
だけどそんなのじゃなくて、
…うちがいかに
常識はずれであったかを言いたかったの。

どこか痛くなってそれを訴えても、
少しくらいなら我慢してろと言われた。
どこまでが
『少し』の痛みなのかがわからないまま
いつも、じっと我慢してたっけ。

「ちょっとでも痛ぇとこがあったらすぐに言え。
わかったか?」

「ちょっと…?」

「んー?あぁ、ちょっとでもだ」

「……」

「言われて来た事と違うか?」

先生は鋭いなぁ。
よくわかるな…

その通り。
全然違う。真逆だよ。

「うん…。我慢するんだよ」

「まぁ…それも大切かもしれねぇな。
でも腹痛頭痛…
病気みてぇのはほっといたら危ねぇから
とりあえず俺に言え。
どっか切り傷作った時も見せろ」

……

「…難しいかも」

「そうだな、最初はな。
まぁ徐々に慣れろ。
で?腹が痛ぇのであってるか?」

私がすぐに出来ない事をわかってくれる。
やれ!って、頭ごなしに言うんじゃなくて
少しずつでいいって…。

「…ほんとにいいの?」

「なんだよ、何がだ」

ふぅっと息をついて、
先生は元の位置に戻ってきた。

私の目の前にヤンキー座りをして
話を聞いてくれる体制だ。

「言われた事はすぐにやらなきゃいけないの」

「ンな事できりゃ誰も苦労しねぇんだよ」

「何でも我慢するのが当たり前だった」

「んじゃこれからは我慢したらダメだ」

「そもそも我慢してるんだかしてないんだか
もうわからなくなってるの」

「なん、だそりゃあ!あー…じゃあ、」

先生はカクリと首を落として
ぼりぼり頭を掻いた。

「んー…好きにしろ」

「えぇ?」

「櫻井の好きにしていい。
俺がお前を見て、
我慢してそうならやめさせるから」

「ウソでしょ?」

「ホントだけど」

だってそんな事ある?

「甘くない?」

「…甘くねぇよ。
出来ねぇなら俺がやるしかねぇだろ」


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