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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第41章 輪廻 〜if〜 後





あれ…?
じゃあそもそも学費ってどうなるの?
学校も通えないじゃん。
私の財布の中身、
今月のお昼代しか入ってないんだけど。
パンと飲み物いっこずつしか買えない金額。

あぁ。
私が、…居なくなっていくみたいだ。
この世界から放り出されてしまったみたい。

漠然とした不安。
寄せては返す真っ黒な波に
腰の辺りまで浸かっている気分。
どこかへ行こうにもうまく歩けずに
方向もわからない状態で…


ひとつの不安がどんどん連鎖して
果てしなく広がって行き、
私の身体から溢れ出るくらいの
大きな心配を呼び起こす。

あぁ…どうしよう、
凄く、怖いや。

先生早く帰って来てよ。


そんな事を考えている自分にハッとした。
…頼ってる。
無意識のうちに、先生の事を頼りにしてる。
……うぅ、でも…淋しい、

「お父さん‼︎」

「誰がだ‼︎」

居なかったはずの宇髄先生が
いつのまにか私の目の前にいて
全力でツッコミを入れる。
驚いたのは私の方で
叫び出してしまいそうになった。

「べっ別に先生の事じゃないじゃん!」

何でもないふうを装うのにひと苦労だ。

「俺のこと見ながら言っただろうが」

「たまたまだし。ていうか
帰って来たんならただいまくらい言ってよね」

「何度も言ってんのに
聞いてなかったのはお前の方だろ」

先生は呆れたようにため息をついてから
ゆっくりと膝を折る。

「もう真っ暗だって気づいてたか?
電気くらい点けろ。こんな部屋の隅っこで…
どっか行っちまったかって心配すんだろうが」

私がうずくまっていたのは
ベッドルームの1番奥。
開いたドアから、
リビングからの灯りが差し込んでいた。

ほんとだ…
真っ暗だ。

「どっか痛ぇか?調子でも悪くなった?」

「……どこも、何ともない、」

そう言ってから気がついた事がひとつ…。
お腹が痛い。
上の方…胃の辺り。
何も食べてなかったからかな?
それとも、あれこれ考えすぎたから…

知らないうちに、ぎゅっと膝を抱えて
私は先生に笑顔を向けた。

「……無理すんな。腹でも痛ぇんだろ?
薬やるから飲め」

「…薬なんかあるの」

立ち上がりかけていた先生は
キュッと私を振り返る。


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