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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第40章 クリスマス





「よし、じゃあコレはー…」

天元は片手で箱を掴むと
そのまま私を自室まで引っ張って行く。

そして迷いなく文机に向かい、
彼の言った通りそこに置いてあった
もうひとつの箱の隣に並べた。

「ほんとだ…」

同じ箱が2つだ。

「天元はさぁ…」

「んー」

ゆるりと私を見下ろす天元。
私はそれを見上げる。
……大きいなぁ。今更だけど。

この人が隣にいてくれるだけで
私は別人みたいに落ち着くな。
わからなかった事も
いっぺんにわかるようになる。
それは一体、どういう仕組みだろう。

「なんだよ?」

「なんですぐわかるの?」

「ん?」

「なんでもすぐにわかるよね?
箱が2つあること、どうしてわかったの?」

天元は文机に並んだ2つの箱を見やった。
私もそれにつられて見下ろした。

「俺らが2人して他所にやってんのに
そんなすぐに戻ってくるワケねぇからな。
他へやってるうちに、
戻してるヤツがいるに決まってるだろ?」

「そっか…」

じゃあ箱に足が生えてると思った私は?
アホなのかな。

恥ずかしすぎて
そんな話は絶対に出来ないけれど。

「じゃあそれは、」

「まぁ、あの3人のうち誰かって事になるな。
気になるなら確かめに行ってもいいが…?」

箱から私に向けられる視線。

「ううん、そこまでしなくても…」

「もう気持ち悪くなくなったのか?」

「うん…」

「ならもういい。する事は?まだあるんだろ?」

「…ある」

「じゃ終わらせて、その後で一緒に食おうな」

「うん!」

素敵な約束を取り付けて、
私たちはその場で分かれた。
その時を楽しみにしながら…。














冬の夜は早い。
夕飯時にはもう真っ暗だ。

正月前、最後のご馳走かと思うほど
睦は豪勢な食事を振る舞った。
本人の希望で雛鶴たち3人も呼んで
久しぶりに楽しい時間を過ごした。
5人で食べると賑やかで
睦も終始、にこにこしていた。

「あっ、そうだ睦さん、
さっきのお菓子、どうなりました?」

そう声を上げたのは須磨だった。
睦は片付けの仕上げ、
テーブルを拭く手をぴたりと止めた。


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