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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第40章 クリスマス





「ん?」

「また置いてあったからちょっと怖くて、
…今度は天元の所に持って行ったんだ、
ごめんね、」

「へぇ…」

目を見張る天元。
自分の部屋の方に顔を向けた。
でもすぐに戻して、

「…ん?なんで謝んの?」

不思議そうに訊いてくる。
…言いにくいな。

「……ちょっと気持ち悪かったから
もう天元に押し付けたの」

「ぷ…そっか」

私が申し訳なく思っていた程、
天元は気にもかけていない様子だった。
それに少し安心した。

「…じゃ今は確実にいっこ、俺の部屋ん中だな」

「じゃあコレは…?」

「もう1人、この箱を回してるヤツがいる。
全部で2つあるはずだ」

「2つ…」

「なんだよ、俺の部屋行ってみるか?
絶対ぇあるから」

「ううん、いい」

私は繋いだ手をぎゅっと握り直した。

「…俺がいるだけで安心しちゃうワケね」

うんうんと
納得したように頷く天元。
…本当にその通りだから何も言えないや。

「コレ、お前の言ってたクリスマス?」

「え?」

「クリスマスだから
贈り物のつもりだったのかなと思ってたんだが…
違うのか?」

「違う…私はコレ知らないもの。
天元がくれたんだと思ってた。
だってこれ、並ばないと買えないんだよ?」

「ヘェ…それはそれは。
…そんなモノ好きがこの家にいるのかね」

「……須磨さん?」

「くく…俺もそう思った」

モノ好き、と言うのは失礼だけど、
並んでまで買うミーハーは
須磨さんなのかなと思ってしまった。
…ちょっと申し訳ないけれど。

「どっから出た品なんだろうなぁ?」

「うん…」

天元のおかげで少しは落ち着いたけれど
まだ拭いきれない不安に苛まれていた私は
じっとその箱を見下ろしていた。

「…俺の手、握りつぶされそう」

くくっと喉で笑われて、
私は全身に力が入っていた事を知った。

「…っごめん、」

焦って、パッと手から力を抜くと

「いいから。ちゃんと握ってろ」

反対にぎゅうっと強く握られる。
急に真剣になられるとドキッとするな…

天元の手が大きくて
いつもうまく握りきれないのに。
緊張からかものすごく力が入っていた事に
気付かされた。



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