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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第40章 クリスマス






俺は手の中の箱を見た。

睦がせっかくくれたもの。
俺のとこに置いとくべきか?
こんな、突っ返すみてぇな事したら
あいつは傷つくに決まってる。

なら…

俺は部屋の隅にあるペンを取り出し
その横に丁寧に重ねて仕舞ってある、
小さな紙にインクを走らせた。

書きながら、
今日が25日だと気がついた。

クリスマスって知ってる?

最近、睦から聞いた言葉。
それが頭をよぎり、
その贈り物なのかと納得をした。
あんなふうに匂わせていたのだから
まぁ何かを用意していても不思議はない。

そうかそうか。
可愛い事をしてくれる。

そして、その包まれた箱を文鎮代わりに
テーブルのど真ん中にポンと置く。

これなら嫌でも目に入るだろう。
そして誤解させる事もない。

今から野暮用で出掛けなくちゃならねぇ。
睦も今日は忙しいらしく
なかなかつかまらねぇし。

だがこれなら大丈夫だろう。

俺は安心して睦の部屋を後にする。
襖を閉める瞬間、
ちゃんとそこにあるのを
しかと見届けてから…。





























「わぁ‼︎綺麗!」

私はつい、そう声を上げてしまった。
離れの茶の間。
大きなテーブルの端っこに
青い紙に綺麗に包まれた
小さめの箱が置いてあるのを、
襖を開けたのと同時に見つけた。

誰が買って来たのかな…

雛鶴さんかな、まきをさんかな…

…まきをさんだとすると、
勝手に触った事がバレたら張り倒される。

だけど自室じゃなくて
この茶の間においてあるってことは、
3人で食べようって、そういう事だよね?

触られたくなかったら、
きっと自分の部屋に置いてあるはず…

私は自分のいいように理解して
その包みを開けようと指を伸ばした。
……

と、そこでふと考える。
この包みを、私は知っているのだ。

薄青の包装紙。
それよりも濃い目の青色リボン。

それは、最近新しくできた
西洋菓子のお店のもの。
物珍しいのも手伝って連日大盛況のお店だ。

開店前から並ばなければ絶対に買えないお店。

それを今、
私が独り占めするわけにはいかない。


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