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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第8章 続




でもあいつの傷ついた顔見たくねぇなぁ。
…ただ、言わねぇともっと傷つける。

今までは、言うも言わねぇも無いと思っていた。
嫁とは名ばかりで、
すぐに別れ別れになるはずだったからだ。
だから、話すまでもねぇはずだった。
でもこいつらは何かと、
俺の手伝いをして下さる。
関係としてはオトモダチ程度だ。
或いは上司と部下。
俺の元を去る気などないようだった。

これは話した方がいいヤツでは…?と
気づいてから、言おう言おうとしながら、
あいつの顔を見ると、色々順番が入れ替わって…
結局愛でるだけでいっぱいいっぱいになってしまう。

…須磨が、口を滑らせなきゃいいが。

「あんたはここにいな。睦様の事は
雛鶴に任せた方がいい」

まきをも同じ考えのようだ。

「ひどいですまきをさん!
私だってちゃんと出来ます!」

…ホントに?
そのうち2人がケンカをし出すから、
引き離す為にも須磨には再び
睦の家に向かわせた。
その場凌ぎのその行動が、大きな間違いだった…。












「言っちゃったの⁉︎」

「…ごめんなさーい…」

「天元様、私がついていながら申し訳ございません。
一応、経緯といいますか…現状の説明は
して参りました。ただ…
お聞き届けいただけたかは…」

「…あぁ、…悪ィな…」

睦の体調も良くなったころ、
戻った2人に報告を受けていた。
予感的中。
須磨はまきをに殴られている。

あぁ——…俺から話すべきなのに…。
いや、悪いのは俺だ。
考えてても仕方ねぇ。
今日は少しなら時間もある。

「…行ってくる」

力無く立ち上がる俺を、3人は黙って見送っていた。

睦の家に行くも、雨戸もカギも
閉まったまま。
人の気配はなかった。
今朝、長い眠りから目覚めたばかりと聞いた。
店を開けたとも考えにくいが一応寄ってみよう…
しかし思った通り、店は閉まっていた。
ちゃんと、しばらく休業の貼り紙もしてあった。

…とすると、行く所なんて1つだ。





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