• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第39章 輪廻〜if





「私は…」

「あぁ、お前の悪いようにはしねぇと誓う。
だからこれが上手くいったら、
おとなしくここに残れ。
俺でいいってお前が言うなら、
全力で守ってやるよ」

それくらい言わねぇと、
ここに居たいと言いながら、お前は迷うだろ?
居てもいいのかなとか、私なんかがとか
余計な事をごちゃごちゃ考えて悩むんだ。

過ごした時間は短くても
こいつの性格は把握できた。

厄介ごとを他の人間に押し付けなくて済むように
自分の中に収めようと必死になる。
頑なに、助けるなと言い続けたな。
助けてくれと、全身で叫んでいたくせに。


そんなお前に、
いつのまにか惹かれていたのかもしれない。


「…期待しない」

天邪鬼。
そんな答えに少し笑ってしまった。

「それくらいで丁度いいのかもしれねぇな。
いきなり信じろなんて言わねぇよ。
そんなん無理なハナシだ、わかってる。
でも俺は、しくじったりしねぇから」

睦の瞳に、
希望の光が灯ったように見えた。

他のおとなは後回し。
申し訳ないが、足掛かりとして
とりあえず俺のことを信頼してもらうって事で。

…責任重大だ。

「ひとつだけ、はっきりさせといていいか」

声のトーンを落とした俺に
睦はきゅっと唇を引き結んだ。

人の変化に敏感だ。
常に気を張っている。
真面目な話をしようとすると瞬時に悟るんだ。

…もう少し、
気楽にいられるようにしてやりてぇな。

「俺はもう、お前を母親に会わせる気はねぇ」

「え…?」

大きな目を更に見開いて、
突然切り出した俺に絶句した。

「どうしてもママに会いてぇと泣くんなら
そうしてやらなくもねぇが…?」

わざとそんな言い方をすると
思った通り、
子ども扱いされてムッとした。
わかりやすいヤツ。
クールぶってただけで
本当は素直でイイコってとこか。

「言いにくいが、…
出るとこに出たら間違いなく
罪に問われる行為だ。
お前の意向と向こうの態度によっては
逮捕だってあり得る。それだけの事をした。
でも顔を見たら、お前はまた絆されるだろう。
だから会わせる気はねぇ」

「……」


/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp