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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第39章 輪廻〜if





思った事を、
ただまっすぐに伝えてやりたかった。
きっと、母親から
言ってもらいたかっただろう言葉たち。
俺なんかじゃ全然足りねぇだろうが、
伝えなければ俺が後悔するような気がした。

「…そんな事ない」

謙遜でなく、本心で言っているのがわかった。

それは、
母親から褒めてもらう事が
出来なかったからか…?

「お前はえらいよ。
学校にいるヤツらには
そこまでの精神力はなかなかねぇと思うぞ」

「…そうかもね」

「だから、そんなモン無くてもいい」

「えぇ…?」

「無くていいよ。まだまだ甘えてていい。
気ィ張らなくてもいい環境を
俺が作ってやるから、」

「…どうするつもり」

櫻井の目が鋭く光った。
明らかに、俺に敵意を向ける。

でも、俺は決めた。
睦の妨げになるものは
全てこの手で排除する。

「どうしたい?」

ヘタに隠したり誤魔化したりするのは好かねぇ。
こいつのいいようにしてやると決めた以上、
正しく理解する事が必要だ。

「何を…?」

「何もかもだ。その話を俺に聞かせたな?
もう現状維持はあり得ねぇだろう。
それを覚悟の上で話したんだよな。
なら前に進む為にどうしたい」

「……」

「よく考えろよ。俺はお前が言った通りにする。
一言一句、違える事なくその通りにするぞ」

半分脅しのような文句になった。
だがこれくらい言わなけりゃ、
今のこいつには通用しねぇ。

「…待って、急に言われてもわかんない…」

まぁ、そうだよな。

「なら俺が訊くから答えろ。
それなら出来そうか?」

「んー…」

よくわからないと言ったように
睦は曖昧な返事をした。

「学校はどうしたい。
行きたいのか、辞めたいのか」

「……行きたい」

「わかった。帰る場所は?」

「…………」

途端に口をつぐんだ。
当然だ。
帰りたい場所には帰れないのだから。

「親戚とか、いねぇのか?」

力無くかぶりを振る睦。

「じゃあ…」

施設、ってのもアリ。
いや、もう18か?

「俺の知り合いにちょうどいいのがいる。
もちろん女だし、連絡してみるか…?」


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