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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第39章 輪廻〜if





私も笑顔で応えて自分の席へ。

窓際の、景色を見渡せる特等席だ。
いつもと変わらない景色。
いつもと変わらない喧騒。

ここにいる時が、至福の時間。

私には特別仲良しの友人はいない。
だからいつも1人だ。
挨拶を交わす程度の仲。

母親に支配されている私には
放課後の自由すらない。
下校時刻は割れている。
スマホの位置情報もばっちり。

それでも。
それでもだ。

私はあの人から離れる時間が欲しかった。
脅迫じみた事をして
私は高校進学の道を母に強要した。

ずっとあんな所に押し込められているなんて
もう気が狂ってしまいそうだったから。

束の間の安息は幸せ。
でもその幸せから地獄へ続く道を辿る度に
もしかして幸せなんて無い方が
よかったんじゃないかって、
その2つのはざまで揺れるんだ。

毎日毎日、天国と地獄の繰り返し。
そのうち天国に向かう道も苦痛になってくる。
こんな時、天国に縋るのではなく
地獄に引きずり込まれるのだ。

だって、所詮束の間の天国だ。
終わりが来るってわかっている幸せは
ツラくて仕方がない。

こうやって家までの道を踏みしめる度、
この道しかないのかなって思う。
他に通っていい道は、私には無いのかな。

もうすぐ高校も卒業だ。
そうなったら私はどうなるんだろう。

成人したら、解放されるんだろうか。
…そんな簡単に行くわけがないか。

夢見たいな妄想に吐き気がした。

もう、目の前に聳え立つこの建物が現実だ。
帰るしかない…。



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