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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第38章 金魚の昼寝





背中から覆い被さり
合わされる彼のほっぺたは
確かに私よりもぬくかった。

……だけども。


「……私、さっき夢を見てたの」

「夢?」

「そう。夢。この金魚みたいにね、
水の中を漂ってるんだ」

「ヘェ…そりゃいいな」

「そう、すごく涼しくって心地よかったの」

「いい夢だ」

うんうんと頷く天元。
…私が言いたいのはそこではない。

「だけどね、
身体の中から熱が湧いてくるんだよ」

「…熱?」

「そう、すっごく熱いの。
なんでだったのか、夢の中でも不思議だった」

「何でだかわかったのか?」

キョトンと…
シレッと?
天元は後ろから、私の顔を覗き込んだ。

「…天元の方がわかってるんじゃない?」

「俺が?何でよ。
睦の夢の事まではさすがにわからねぇよ」

「夢じゃなかったからだよ。
私が寝てる間に、天元なにしたの?」

「寝てる間に……っ」

パキッと目を開き
やべぇ、と言わなくてもわかるほど
表情を強張らせた。

「意識のないときに、なにしたの⁉︎」

「違う違う、違うだろ、あのな
アレは、最中にお前が意識飛ばしただけで
…俺が悪い事したみてぇに言うなよ…!」

慌てて言い訳じみた事を言う天元。

「どうだろ」

ジロリと睨んでやると

「あれー?俺がウソついてるって?」

「ついてないの?」

「ねぇよ」

………

「なんでそんな目してんだよ」

「別に」

ぷいと顔を背けると
ぎゅうっと抱きしめてきて

「だいたいよー」

いじけたような声を出す。

「意識があろうがなかろうが、
俺が睦を好きにしたっていいだろー」

「やっぱりしたんじゃない!」

「してねぇわ。してねぇけど、
したっていいんじゃねぇのー?
こんなに愛してんだしよ」

「……」

「俺になら、何されてもいいと思わねぇ?」

天元になら…

……

「思わない!おもちゃじゃないの!」

「はぁ⁉︎ンな事わかっとるわ」

「意識ないのにしたらやだ」

「……そっか」

少しだけ考え込んだ天元は
あっさりとそんな返事をした。

あれ?と思って振り返ると
にやりと笑ってみせる。


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