第38章 金魚の昼寝
そんな質問を受けて
少し戸惑っていた睦だったが、
「……天元、だけ…」
ひどく恥ずかしそうにして、
それでもはっきりと答えてくれる。
それだけで、俺はもう大満足だ。
あとはもう少し、
「俺だけ…?」
意地悪したい気分だ…
「…うん…?違う、の?」
意地悪のつもりで言った俺の言葉にも
あまりに素直に答えてしまい
俺はもうお手上げだ。
「違わねぇ…。俺だけだって、言ってくれ…」
意味をするりと入れ替えて
俺は睦にもっと言わせようとする。
お前に、印をつけてもいいのは俺だけ。
という事は
睦には、この俺しかいないと…
そう言ってもらいたい。
強請るように首筋に口づける。
かくっと首を傾げる姿が
そこを差し出されたかのようで
俺はつい調子に乗った。
睦は、はぁ、と甘い吐息混じりに
「天元、だけ…よ、」
俺の願いを叶えてくれる。
そう言われて俺が反応しねぇワケがなかった。
きゅっと、胸を揉む指に力を込めると
ぴくっと肩を跳ねさせて小さく震える睦。
それを見て
どこがイイのか探るように指を動かした。
胸全体を包み込みながら
親指の腹でまだ柔らかい先端を弄る。
「…っ!」
今までで1番大きな反応。
「…かわいい」
可愛いって言いすぎ!と
いつもなら怒られるのに…
…それは明らかに照れから来ているが、
今日はそれすら言って来ねぇ。
俺の都合よく出来ているみたいだ。
「睦…」
「…ん、」
呼びかけにそっと返事をして
目だけこちらに向けてくる。
「コレ、すき?」
擦られて凝ってきたそこを
更に転がすと
「やぁ…だ…」
俺の手首をぐっと掴み大きく背を反らして
もぞりと足を擦り合わせた。
『俺』を知っていると厄介だな。
気持ちいい事を身体が覚えている。
どこをどうしたら
こいつがどうしてほしくなるのか、
俺はそれを知り尽くしているから
虐める事も愛する事も
俺の意のまま…
「…すき、」
…だと思ったら大間違いで、
そんなふうに涙目になりながら
素直に可愛い事を言われたら
俺はもう負け決定だ。
ただただ善くしてやる事しか
頭になくなってしまう。