• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第8章 続




「睦様、
長いことうなされてたんですよ!
3日間眠ってました」

「そんなにですか⁉︎それは…
助かりました。ありがとうございました」

私は佇まいを直し、頭を下げた。

「睦様、困ります!頭を上げて下さい」

雛鶴さんは優しく言った。


「あの…その、睦様っていうの、
やめていただけませんか…?」

ひどく居心地が悪いし。

「お気に召しませんか?」

「お気に召さないというより…
そんなふうに呼ばれるような者ではないので…
慣れないし。
できれば普通に…」

なぜそんなふうに呼ばれているのかがわからない。

「睦さん、ならよろしいでしょうか」

「はい、それくらいでお願いします。
…で、…お2人は、どなたでしょう?」

面識はないと思う。
だいたい…

「どこから入ったんですか…?」

…あれ、ちょっと怖くなってきた。
私は2人を見ていられなくなってきて、
座ったまま、ずりずりと後ずさった。

「あ、別にあたしたち、怪しくないです!」

「須磨、ちょっと…」

須磨さんが私の前に膝をつく。
私はびくっとすくみ上がってつい、
須磨さんと目を合わせてしまった。

「だってあたしたち、天元様の嫁なので「須磨‼︎」



「あの…」

「…睦様、今のは…っ」

雛鶴さんは須磨さんの口を塞いで抱え込み、
私の方を振り返る。
…また様って呼ぶし。

「様はやめて下さい…。
雛鶴さん、須磨さん、
長いことありがとうございました。
ご迷惑をおかけしました。
おかげさまですっかりよくなったみたいです」

「睦さ…ん、聞いて下さい!私たちは…」

「あんなに動けなくなるとは思わなかったので
本当にありがたかったです」

私がにっこり笑ってみせると、

「睦さん!」

慌てる雛鶴さんに向かって

「もう大丈夫です」

ぴしゃりと言うと、雛鶴さんも、
口を塞がれたままの須磨さんも
息を詰めてハッと私の方を見た。
一瞬ひるんだものの、
意を決したように雛鶴さんが口を開いた。




/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp